更新日:2021/05/29
緩和ケア
緩和ケアとは、ガンなどの病気による身体的な痛みや症状、精神的な苦痛を軽減するための医師や看護師、精神ケア専門家などが連携して患者さんをケアすることです。
患者さんが前向きに自分らしく生きられるようにサポートをします。
また、患者さんだけでなく、ご家族の心のケア、患者さんと死別したご家族のケアも行います。
緩和ケアの必要性
ガンと診断されると、信じられないという思いや、落ち込み、不安になる方が多いかと思います。また、ガン患者の方の約70~80%には痛みを経験すると言われています。治療が進むと吐き気や髪の毛が抜け、食欲低下、下痢や便秘になるなど、様々な症状が現れます。
このような身体的な症状だけでなく、治療による不安やストレス、怒り、今後のことへの心配など、精神的にも苦しくなることがあります。
緩和ケアでは身体の痛みだけではなく、気持ちの面でも専門家のサポートを受けられるのです。
緩和ケアは治療の初期から受けられます
緩和ケアと聞くと、病状が進行した人のみしか受けられないと考えられがちですが、治療初期から、つまりガンの治療と共に進められるのです。
このように初期から受けられる点が末期ガンのケアであるターミナルケアとも違います。
緩和ケアではどのようなケアを受けられるのか
- 1. 患者さんの病気を知り、治療方法を選択するお手伝い
- 2. 治療や病状の進行による痛みを取り除くケア
- 3. 精神的な痛みや悩みを取り除き、前向きに生活できるケア
- 4. ご家族へのケア
緩和ケアはどこで受けられるのか
緩和ケアと言うと、専門の病棟でなければ受けられないと思われがちです。
しかし、治療中の病院だけでなく、自宅や緩和ケア病棟のある施設でも受けることができます。
自宅で緩和ケアを受ける場合は訪問介護や往診を受けられます。医療的なケアだけでなく、療養生活の援助、入浴介助なども受けられます。
緩和ケア病棟のある施設ではデイケアやショートステイの利用も可能です。このことにより、看病する家族の休息にも役立てることができます。
ガン診療連携拠点病院、緩和ケア病棟のある施設は全国にあります。患者さんや家族の希望に合わせてケアを受けられます。
がんに関する相談支援センター
全国の指定を受けた病院には、相談支援センターが設置されています。
他の医療機関を利用している患者さんでも、面談もしくは電話相談ができます。治療や家族、お金に関することまで幅広く相談に応じてくれます。
困ったことがあれば、このような相談支援センターに問い合わせてみることも必要です。
また、自治体の相談窓口も問い合わせ可能です。