更新日:2020/12/24
がん患者との接し方
精神面のケアだけでなく効果的な治療のためにコミニケーションは必須です。
がんの進行状態にもよりますが、進行状態に応じて精神的なケアは度合いが増していきます。
また、段階に応じて本来意味する核心的な内容を患者から直接聞くことが困難になる場合もありますので、より初期の段階でコミニケーションを確立していく必要があります。
以下に患者と接する際に大切な姿勢について列挙します。
がん患者と接する際に大切な姿勢
受け止め、支持する姿勢
相手の話を聞くときに相槌をうちながら聴くようにする。相手の話に対して自分の考えや、価値観を差し込まず、許容するようにする。
話を聞きながら総だなそれもそうだな、それでもよいなと相手を容認する。「こうしたらよい」「こうするべきだ」という助言や、自身の見方で患者の考えと反対の意見を持ち出さずに、まず患者の見方を認めることが大切です。
傾聴する姿勢
傾聴とは、ただ話を聞くというのではなく、相手の話に関心を持ち、積極的に受け入れながら深く話を聞いていく方法のことをいいます。心を傾けて相手の話と非言語的な表現にも注意を払う必要があります。傾聴するためのに、話の中で相手の言葉を「くり返し」たり、重要な要点を「言い換え」て伝える。など手法は様々あります。
相手のいいたいことの要点をつかみ、気持ちをくみ取って自分の言葉で言い換えて答えた時に深いコミニケーションが生まれます。
共感する姿勢
心を傾けて相手の話を聞いていくと、相手の感情に移入することがあります。(共感は非常に重要ですが、自分を見失うほどに動揺することは避けなければなりません。)ここで重要なのは、共感してということを相手に伝えることです。「それは本当に大変ですね」「つらい思いをしてきましたね」と理解したこと伝え、感情を共有すてください。共に治療を行う中でストレスを多く感じますので、自分の感情を抑えて客観的に話を聞くように自然と努めてしてしまうことがあります。そうなると自分の感情も感じなくなってしまうこともあります。しかし、感情を共感することは患者の感情を理解し、共に感じることです。会話の中で自分の感情に気づき、受容していることが必要です。
明確にする姿勢
相手の話の核心をさらによく理解するには、話をただ聞くだけでなく、適切な質問を投げかけることも必要です。患者の話の流れを遮らないようにタイミングをはかり、「それはどんな感じですか?」「例えば~~のようなことですか」「もう少し詳しく話して下さい」など患者が自分の気持ちを見直したり、自分で整理して話しやすいような質問を投げかけましょう。
患者が自分の気持ちをうまく表現できない時は、少しだけ相手の気持ちを投げかける配慮も持ちましょう。患者の表情や態度を見て、「今日はとても明るいですね。「今日はとてもつらそうですね」と患者の感情を言葉で反映すると、患者自分でも明確になっていなかった気持ちに患者が気づき話してくれることがあります。
また、患者が倦怠感を持っていたり、苦痛が強い場合には「はい」、「いいえ」で簡単に答えられるような短い質問を盛り込むことも大切です。
焦らない、沈黙の姿勢
特に終末期の患者は、複雑な精神状態になるケースがあります。そして、自分の気持ちを言葉にして表しにくいことがあります。周囲が質問責めにしたり、一方的に話し続けことは、さらに患者の話す意欲を奪うことになります。
話の速度に注意し、患者のペースに合わせたテンポで、落ち着いた低いトーンで会話することが望ましいです。
また、ときには沈黙することが大切です。
沈黙には「自分の考えをまとめ直す」「自身の今の感情を見直す」「相手に考えに抵抗を意味する、抗議する」、などの感情表現含まれます。沈黙の後に沈黙の意味合いを双方で確認することでコミニケーションが深まることがあります。
要約、継続的な姿勢
患者は、身体的にも精神的にも持続力が低下していることが想定されます。(長時間の話を続けられない。)患者の話す意欲を配慮しつつ、短時間ごとに話を要約しまとめることが大切です。これによって疲労に配慮した会話が可能となります。まとめた後、会話が可能であれば継続して行うこともできますし、後で出直すことも可能となります。
再び話をする時間を確保することを約束し、継続したコミニケーションを確立することによって患者の心の支えにもつながることもあります。