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更新日:2021/05/23

喉頭がんとは|症状や検査、治療、ステージなど

喉頭がんについて、特徴・症状・原因・分類・検査方法・病期(ステージ)・生存率・治療法・再発・転移など様々な観点から解説します。

2017年にがんで亡くなった人は男性220,398人、女性152,936人で男女あわせて373,334人となっています。これは、国立がん研究センターが行っているがん死亡に関する統計データによるもので、このうち、喉頭がんで亡くなった人は、男性808人、女性71人で合わせると879人となります。(以上、国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より)。

喉頭がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合を表す「5年相対生存率」をみると、2006年から2008年に喉頭がんと診断された人の5年相対生存率は、男性で78.7%、女性78.2%で男女計では78.7%となっています。(以上、全国がん罹患モニタリング集計 2006-2008年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2016)より)。

喉頭がんとは

喉頭はいわゆる「のどぼとけ」(甲状軟骨先端)に囲まれた箱のような部分です、内面は粘膜におおわれており、ここの組織に発生したがんを喉頭がんといいます。

喉頭には左右1対の声帯があり、これを振動させることで声を出すことができます。また食べ物を飲みこむときは、喉頭蓋というフタが喉頭や声帯を閉じ、食べ物が気管に誤って入ること(誤嚥)を防いでいます。喉頭には空気の通り道(気道)としての働きもあります。喉頭がんが進行すると、これらの喉頭の機能が損なわれてしまいます。

喉頭がんの発生は女性より男性に多く、50歳代から80歳代までに急激に増加します。喫煙によってリスクが高くなることがわかっており、患者さんの90%以上が喫煙者です。

声帯のある部分を声門といい、それより上が声門上、下が声門下とよばれています。喉頭がんはその発生部位により、「声門がん」「声門上がん」「声門下がん」の3つに分けられます。最も多いのは声門がんで60~65%を占め、声門上がんは30~35%、声門下がんは極めてまれです。



喉頭がんの症状

喉頭がんは初期症状が乏しく、無症状で経過することの多いがんです。声帯にできた声門がんでは初期症状として嗄声になることもありますが、声門上部や声門下部のがんは、初期症状が全くないことも珍しくありません。また、がんの発生する場所によって症状を自覚しにくいこともあり、このような場合はがんが進行してから見つかることも少なくありません。

喉頭と咽喉は近い場所にあるため、がんが進行すると同じような症状が出てきます。症状としては嗄声が酷くなる、物を飲み込みにくくなるため食事に時間を要するようになるほか、むせやすくなることなどがあげられます。

進行がんでは頸部にしこりができることもあり、首の見かけに左右の差が出てきます。これは主にリンパ節の腫脹が目立つようになってきたためですが、その原因はがんの転移によるものが多いとされています。また、がんが進行して腫瘍が増大することにより、呼吸困難をきたすこともあります。

罹患数がもっとも多いとされる声門がんでは、ほぼすべてのケースで嗄声(声がれ)と呼ばれる、以下のような症状が見られます。
● 低いがらがら声
● 雑音の入ったざらざらした声
● かたい声
● 息がもれるような声
などです。

声門がんの場合、がんが進行すると嗄声はさらにひどくなり、声門が狭くなって息苦しいなどの呼吸困難症状がみられるようになります。痰に血液が混じることもあり、嗄声が一カ月以上続くときは、喉頭がんの疑いが強くなります。

声門上がんの場合、初期症状は喉のいがらっぽさ、異物感、食べ物を飲み込んだときの痛みなどがでます。がんが進行すると、耳に広がる痛みが現れることもあります。首(頸部)のリンパ節に腫れが何か所も出ることが多くなります。声門上がんの場合も、がんが声帯に広がると嗄声が起こり、さらに進行すると呼吸困難などの症状が起こります。

声門下がんの場合は、進行するまでは無症状ではありますが、進行するとやはり嗄声や呼吸困難感が見られるようになります。

気になる症状が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科または気管食道科など、喉の専門医に相談しましょう。早期発見につとめることが、早期治療にもつながります。

いずれの部位でも、嗄声、進行すると呼吸困難症状が見られることは、共通しています。では、なぜ声門がんになると、嗄声がみられるようになるのでしょうか。

もしも声門に異常がなければ、左右に1対ある声門はぴったりと寄り添うように動きます。そのわずかな隙間を空気が通り抜けるときに、声門が振動して声が出ます。つまり声を出すためには、声門が滑らかに動き、空気が通るときにブルブルと小刻みに震える必要があります。

しかし声門周囲に何らかの異常が起こり、声門の動きが悪くなったり、ブルブルと震えることが出来なくなると、しわがれた声に変化します。これが嗄声です。

嗄声が起こる原因はいくつかありますが、喉頭がんの場合は声門周囲にがん細胞ができることで、声門の動きが悪くなって声を出しにくくなるのです。また、がんが進行してがん細胞が大きくなると、喉頭全体が狭くなってくるため、呼吸困難症状が見られるようになります。

喉頭がん全体でみると、治る率(治癒率)は約80%弱です。早期に発見し、早期に治療を開始すれば、声門の機能をある程度は維持できるため、音声を失わずに治すことも可能だといわれています。

喉頭がんの原因・予防

喉頭がんは頭頚部にできるがんのうち、最も罹患数が多いがんです。女性よりも男性に多く発症し、その割合は1:10とも言われています。また、50歳代から80歳代までに急激に増加する傾向があります。

喉頭がんの主な危険因子は、たばことお酒です。これらを継続的に摂取することで、喉頭はつねに刺激を受けることになり、これがきっかけとなってがんが発症します。実際に、喉頭がん患者さんの90%は、喫煙者であると言われています。つまり、禁酒と禁煙は、喉頭がんの予防に大きく役立つことが分かっています。近年では、男性だけでなく女性の喫煙者が増えていることから女性の喉頭がんのリスクも高まっています。

その他にも、声を酷使する職業や、アスベストを使用する職業も、喉頭がんが発症する危険因子となりますので、このような職業の方は、声や喉の変化に、注意が必要です。また、野菜や果物を摂取することが、予防につながるという見方もあります。

喉頭がんの検査と診断

喉頭がんは、視診と、病変の一部を採取して組織を顕微鏡で調べる病理検査によって診断される。がんの広がりの程度を確認するためには、CTやMRIなどの画像検査も必要になる。

【視診】
喉頭鏡という丸い小さな鏡がついている棒を口の中に入れて、「えーっ」「いーっ」などの発生をしながら喉頭内にがんがないかどうか観察する。
【喉頭ファイバースコープ】
咽頭反射が強い(舌を引っ張られるとゲェーッとえずく)方やのどの奥まで観察したいときなどには、口頭ファイバースコープ(先端にライトとカメラレンズがついている内視鏡)を鼻から入れて、モニターを使って喉頭の内部を直接観察する。痛みはない。
【生検】
一般に、咽頭や喉頭を局所麻酔剤で麻酔して咽頭反射が起こらないようにし、太いファイバースコープで細かな部位まで観察したあと、鉗子で病変の一部を採取して、顕微鏡でがんかどうかを確定診断する(病理検査)。
【超音波(エコー)検査】
体表から観察する超音波検査は、首(頸部)に行い、頸部リンパ節への転移の有無を検索する。頸部の動脈や静脈、気管など周辺臓器との関係を調べるために行う。
【CT、MRI検査】
がんがどの程度広がっているかを調べるため、CTではX線を、MRIでは磁気を用いて頸部の断層撮影を行う。CTで造影剤を使用する場合、アレルギーが起こることがある。ヨードアレルギーなどの経験がある人は医師に申し出る必要がある。

喉頭がんの病期(ステージ)

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいいます。説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることも多いでしょう。病期には、ローマ数字が使われ、喉頭がんでは、0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期(ⅣA、ⅣB、ⅣC)に分類されています。病期はがんがどこまで広がっているか(T:原発腫瘍 primary Tumor)、リンパ節転移があるかどうか(N:所属リンパ節 regional lymph Nodes)、他の臓器への転移があるかどうか(M:遠隔転移 distant Metastasis)で決まります。
これをTNM分類といい、各因子の組み合わせにより、病期が決まります。喉頭がんの場合、がんの発生部位によりT分類は異なるという特徴があります。

【 T分類 】
●声門がん
T1aがんが片側の声帯にとどまっている
T1b両側の声帯にがんがある
T2がんが声門の上部か下部まで広がっている、または声帯の動きに制限がある
T3声帯の動きがなく固定している、および/または声門の周囲組織にがんが広がっている
T4aがんが喉頭の外側の組織にまで広がっている
T4bがんが喉頭の外側の組織を越えて、背骨や縦隔、頸動脈全周などに及んでいる

●声門上がん
T1がんが片側の声門上部の一部にとどまっている
T2がんが声門を含む声門上部の外側まで広がっている、または声門上部の広い範囲に及んでいる
T3声帯の動きが完全に失われているか、がんが声門上部の周辺または声門の周囲にまで広がっている
T4aがんが喉頭の外側の組織にまで広がっている
T4bがんが喉頭の外側の組織を越えて、背骨や縦隔、頸動脈全周などに及んでいる

●声門下がん
T1がんが片側の声門下部にとどまっている
T2がんが声帯にまで広がっており、その動きが制限されている
T3がんが声帯にまで広がって、その動きが完全に失われている
T4aがんが喉頭の外側の組織にまで広がっている
T4bがんが喉頭の外側の組織を越えて、背骨や縦隔、頸動脈全周などに及んでいる

<N分類>
 ・N0:所属リンパ節転移なし
 ・N1:同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm以下
 ・N2:同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmをこえるが6cm以下、または同側の多発性リンパ節転移で最大径6cm以下、または両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径6cm以下
 ・N3:最大径が6cmをこえるリンパ節転移

<M分類>
 ・M0:遠隔転移なし
 ・M1:遠隔転移あり
この分類の組み合わせにより、病期が決まります。

喉頭がんの生存率

喉頭がんの5年生存率は、Ⅰ期で95%以上、Ⅱ期で80%以上、Ⅲ期でも75%近くではありますが、Ⅳ期になると50%以下となります(下図参照)。全体的にみると、Ⅰ期からⅢ期までの5年生存率は比較的高いのですが、Ⅳ期になると急に低くなるという特徴があります。 そのため、早期の段階で適切な治療を受ければ、生存率の平均値もかなり高くなるという点も、特徴といえるでしょう。

病期(ステージ)症例数5年生存率
Ⅰ期71295.6%
Ⅱ期53381.9%
Ⅲ期35774.5%
Ⅳ期53745.7%
全病期2,16176.0%

全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2018年11月現在)による
※対象データは、診断年:2005年~2009年の最新5年間とした


また、Ⅰ期では80~90%放射線治療のみで完治を目指すことが可能であることも特徴です。もちろん個人差はありますが、手術をしなくても生存率を高めることができるがんでもあります。
しかし、Ⅲ期、Ⅳ期の進行がんとなると他のがん同様に生存率は低くなっていく傾向にあり、特にⅣ期では5年後にも生存している方は、半数以下となります。手術をしても生存率を伸ばせない、完治を目指せないということもあります。

喉頭がんは、女性よりも男性の方が罹患数の高いがんですが、5年生存率についてみると、男性の方が女性よりも低くなる傾向があります。
● 全病期で比較した場合:男性78.3%、女性81.4%
● Ⅳ期のみで比較した場合:男性46.5%、女性63.7%
というデータがあります(全がん協加盟施設の生存率共同調査 全がん協生存率 より集計(2018年1月現在))、診断年2004年~2008年の最新5年間で比較)。つまり、病期に関わらず、男性の方が女性よりも5年生存率が低くなる傾向といえます。

喉頭がんの治療法

手術(外科療法)

がん病巣を手術で除去する療法で、原発巣だけでなく、他の部位に転移した転移巣も取り除きます。がんそのものを外科手術で除去する局所療法です。がんの治療法として最も基本的な治療法です。

<喉頭部分切除術>
一般的には、初期の喉頭がんに対して行われる手術です。代表的な部分切除の方法は、声門がんに対して行われる「喉頭垂直切除術」という方法で、声帯から発生したがんに対して行います。声門上がんの場合は「喉頭水平切除」という方法があります。ごく初期の小さながんの場合、レーザー手術が行われることもあります。

手術後の合併症として、「むせ」により食事がしにくくなったり、誤嚥を起こすことがあります。喉頭部分切除術は、声の質は悪くなるものの、声を残すことができる手術法ですが、現在のところは限られた施設のみで行わる手術方法です。

<喉頭全摘術>
部分切除では取り切れないほど進行しているがんや、早期がんに対しても行われることがある手術方法です。首の中央を切開し、そこから喉頭部分を全摘出します。喉頭を全摘出すると声を完全に失いますが、食道発声や人工喉頭の使用などにより、代用音声を獲得することは出来ます。しかし、鼻をかんだり臭いを感じることもできなくなるため、味覚も変わります。また、気管孔も永久に閉じることはできません。

最近では、進行がんでも発生機能を残すために、がんと声帯など喉頭の4分の3を切除し、喉頭の上下の骨は残しておく「喉頭亜全摘出術」が行われる場合もあります。この場合、発生機能などは温存できる可能性があるのですが、がんを完全に切除できない場合もあります。

<頸部郭清術>
喉頭がんが進行すると、頸部のリンパ節への転移が認められるようになります。喉頭がんで頸部リンパ節への転移が起こるときは、がん細胞が頸部のリンパ管に入り込み、頸部リンパ管を通ってリンパ節へ到達するというメカニズムがあるため、リンパ節だけではなくリンパ管も一緒に切除する必要があります。切除する範囲は、片側あるいは両側の耳の後ろから、鎖骨(さこつ)までの広範囲におよび、リンパ節の周囲組織を含んだ部分も切除することになります。これが頸部郭清術です。

リンパ節とリンパ管は、主に頸部の皮膚裏面にある脂肪組織の中に存在しますので、頸部郭清術ではその脂肪組織ごと切除することになります。一方で、脂肪組織の中には重要な血管や神経も含まれているため、本来はそれらを傷つけないよう、リンパ管、リンパ節、脂肪組織だけを切除できることが理想です。しかし転移したリンパ節の大きさや、周囲組織への浸潤の程度によっては、血管や神経を残すことができない場合もあります。

手術(外科療法)についてもっと詳しく見る

抗がん剤(化学療法)

化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。全身のがん細胞を攻撃・破壊し、体のどこにがん細胞があっても攻撃することができる全身療法です。

喉頭がんの治療法の選択肢としては一般的に、放射線治療と手術による外科的治療が優先されますが、手術が不可能な症例や、喉頭を温存しておきたいという希望がある場合は、放射線治療と併せて、化学療法を行うことがあります。2つの治療を並行して行うことで、生存率及び喉頭温存率の上昇につながると考えられています。再発防止のために再発リスクの高い進行がんの治療後に化学療法を継続して行うということもあります。喉頭がんに対する化学療法には、大きくわけて2つの方法があります。

<導入化学療法>
1つ目は、導入化学療法といい、手術や放射線治療などの治療に先行して、化学療法を行う治療法のことです。最初の治療として強力な化学療法を先行することによって、腫瘍そのものを小さくし(退縮させるといいます)、手術や放射線治療の治療成績を、高めることを目的として行われます。化学療法の治療効果が高く、腫瘍が極めて小さくなった(退縮した)場合は、手術を避け、放射線治療のみで根治を図り、喉頭を温存することが期待できます。既に存在すると考えられる微少な遠隔転移細胞も根絶する、という目的もあります。

<化学療法・放射線治療同時併用療法(CCRT)>
2つ目は、化学療法・放射線治療同時併用療法(CCRT)といい、放射線治療と強い化学療法を同時に行う治療法です。この2つの治療法を同時に行うことで、それぞれの抗腫瘍効果を同時に得ることや、放射線治療の効果を高めることが、期待できます。喉頭の温存を図るという目的もあります。

いずれの治療も、単体の抗がん剤ではなく、いくつかの抗がん剤を組み合わせる多剤併用療法にて、治療が行われます。

抗がん剤(化学療法)についてもっと詳しく見る

放射線療法

腫瘍の成長を遅らせるために、あるいは縮小させるために放射線を使用する治療法です。がんに侵された臓器の機能と形態の温存が出来ますまた、がんの局所療法であるため、全身的な影響が少なく、高齢者にも適応できる患者にやさしいがん治療法です。

喉頭がんに対する放射線治療は、早期がんの治療の第一選択となり、効果を見て手術や化学療法などを組み合わせた治療が考慮されます。放射線治療では、治療後に容貌の変化が見られない、嚥下機能が低下しない、喉頭を温存できるなどのメリットがあります。

<早期の喉頭がん>
ごく早期の喉頭がんには、放射線治療がよく効くといわれています。喉頭の温存も可能で、およそ80~95%が治癒するといわれています。しかし、早期の喉頭がんでも、放射線治療後に再発することがあります。放射線治療は周りの組織にも少なからず影響を及ぼすことがあるため、治療後にがんが残っていたり、再発した場合には、手術療法が選択されます。治療には1カ月半ほどの時間を要し、外来通院での治療も可能です。

<進行した喉頭がん>
進行がんに対しては、一般的には手術療法が適応となります。ただし、喉頭を残したいという希望が強い場合には、放射線治療だけを行うか、化学療法と放射線治療の併用療法を行うこともあります。

放射線療法についてもっと詳しく見る

免疫療法

上記の三大治療法に加えて、免疫療法は近年「第4の治療法」として期待されています。免疫療法は研究が進められていますが、有効性が認められた免疫療法は免疫チェックポイント阻害剤などの一部に限られています。自由診療で行われている免疫療法には効果が証明されていない免疫療法もありますので、慎重に確認する必要があります。

免疫療法についてもっと詳しく見る

陽子線治療

通常のX線の放射線治療ではがん局部の周囲の正常な細胞も傷つけてしまいますが、陽子線治療はがん局部だけを照射して周囲の正常な細胞が傷つくことをより抑えることができます。また、痛みもほとんどなく、1日15~30分程度のため、身体への負担が少ない治療です。1日1回、週 3~5回行い、合計4~40回程度繰り返します。

陽子線治療についてもっと詳しく見る

重粒子線治療

陽子線治療と比べて、さらにがん局部を集中的に治療が可能となります。がん細胞の殺傷効果は陽子線治療の2~3倍大きくなります。進行したがんは低酸素領域がありますが、このようながんでも治療が可能です。また、X線では治療が難しい深部にあるがんの治療も可能です。治療は1日1 回、週3~5回行い、合計1~40回程度繰り返します。平均では3週間程度の治療になります。1回当たり、20~30分程度の治療時間になります。

重粒子線治療についてもっと詳しく見る

喉頭がんの再発・転移

再発

「再発」とは、がんに対する治療効果により、一度は治療がうまくいったようにみえても、手術で取りきれていなかった小さながんや、抗がん剤治療(薬物療法)や放射線治療で一度は縮小したように見えたがんが、再び出現したり大きくなったりすることを言います。喉頭がんの場合、最初の治療後から1~2年のうちに、再発するケースが多いといわれています。

喉頭がんの再発は、喉頭内に起こる場合と、転移として別の部位に発生することがあります。仮に、放射線治療を行った後で喉頭内に再発した場合、同じ部位に再び放射線治療を行うことができないため、手術療法による治療が行われることが多くなります。

手術療法後に再発した場合は、再手術や放射線治療などが選択されることになります(過去に放射線治療を行っていない場合)。しかし、一言で再発といっても、患者さんにより状態が変わりますので、総合的に判断し、再発後の治療方法を決めていく必要があります。


転移

「転移」とは、リンパ液や血液に入り込んだがん細胞が、別の臓器に移動して増殖することです。例えば、リンパ節の中でがん細胞が増殖した場合を「リンパ節転移」といいます。喉頭がんの中で、声門上がんではリンパ節転移が起こりやすく、声門がんでは頸部リンパ節への転移が少ないといわれています。

喉頭がんがリンパ節転移を起こした場合、前述のような「頸部郭清術」が必要です。場合によっては、手術後に放射線治療を行うこともあります。治療方針は再発の場合と同様、患者さんの状態や過去の治療歴などを元に、総合的に判断する必要があります。

参考文献

日本気管食道科学会 気管食道科に関連する疾患・症状 嗄声
http://www.kishoku.gr.jp/public/disease08.html
国立がん研究センター がん情報サービス 喉頭がん(こうとうがん):
https://ganjoho.jp/public/cancer/larynx/index.html
同上 喉頭がん(こうとうがん) 治療:
https://ganjoho.jp/public/cancer/larynx/treatment.html
同上 喉頭がん(こうとうがん) 生活と療養
https://ganjoho.jp/public/cancer/larynx/follow_up.html
一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会
http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/nodo_disease.html
日本耳鼻咽喉科学会広島地方部会
http://hiroshima-jibika.jp/course/koutougan.html
日本頭頚部癌学会 頭頸部がんの切除手術
http://www.jshnc.umin.ne.jp/general/section_03.html
同上 化学療法(抗がん剤治療)
http://www.jshnc.umin.ne.jp/general/section_06.html
日本癌治療学会 がん診療ガイドライン 頭頚部がん クリニカルクエスチョン
http://jsco-cpg.jp/guideline/15_cq.html#cq11-1
がん研有明病院 喉頭がんについての知識
http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/headneck/larynx.html
横須賀共済病院 喉頭がんの治療
http://www.ykh.gr.jp/patients/about/toukeibugan/toukeibu06
大垣市民病院 がんについて 喉頭がん
http://www.ogaki-mh.jp/gankyoten/cancer/koutou.html
大阪医療センター 喉頭癌
https://osaka.hosp.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/koutou.html
茨城県農業協同組合中央会 「のどの癌について
https://www.ib-ja.or.jp/

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