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更新日:2023/09/09

BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)|特徴や適応条件、治療の主な流れ、治療費、治療施設など

がんの治療法としては、外科治療、放射線治療、薬物療法のほか、免疫療法などがあります。さらに現在、患者さんへの負担が少ない「新たながん治療法」として注目されているのが、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)です。身体に優しいとされるこのがん治療法は、どのようなものなのでしょうか。

BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)とは

BNCTとは「Boron:ホウ素」「Neutron:中性子」「Capture:捕捉する」「Therapy:療法」の頭文字をとった略称で、ホウ素と中性子の核反応によって発生する粒子線を用い、がん細胞を効率的に破壊する治療法です。※1、2、3、4

がん細胞の周辺には、正常細胞とがん細胞が混在しています。従来のエックス線などを使った放射線治療では、正常細胞も含む広い範囲に照射するためがん細胞とともに正常細胞まで損傷してしまい、そのせいで副反応が生じていました。一方、BNCTで使用するホウ素薬剤には、がん細胞やがん組織にのみ集積する特徴があるため、ホウ素が取り込まれない正常細胞にダメージを与えることはほとんどありません。がん細胞と正常細胞を区別し、がん細胞のみを選択的かつ効果的に照射、破壊することで、患者さんの身体への負担を最小限に抑えることができる最先端の治療法といえます。※1、2、3、4

また、BNCTはエックス線治療などでは対応が困難ながんへの適応も期待されています。※2、3

がんの基本的な治療法には、がん三大治療法とよばれる外科(手術)療法、化学(抗がん剤)療法、放射線治療や、免疫細胞の働きを利用してがん細胞のみを攻撃して治療する免疫療法などがあります。ホウ素中性子捕捉療法は、ホウ素と中性子の反応を利用した「がん細胞選択性治療」という位置づけから、従来の放射線治療とは異なる新しい治療法としての確立に向けて、研究開発が進められています。※1、2、3

BNCT治療の適応条件

BNCTには、以下のような適応条件があります。
・手術ができない進行悪性腫瘍
・標準治療では効果が見込めない再発悪性腫瘍
・治療の対象部位が、皮膚から6cm以内の深さ、幅が10cm以下であること。
このほかにも、部位や症状、治療を受ける施設によって適応できる条件は異なります。詳しくは担当医にご確認ください。※4

保険適用

2020年6月より、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頚部癌」の保険適用が開始され、治療対象となりました。※2これまでに実施された臨床試験の疾患としては、脳腫瘍・頭頚部がん・悪性黒色腫(メラノーマ)・肺がん・胸膜中皮腫・肝臓がん・乳がんなどがあります。そのなかでも特に脳腫瘍やメラノーマなどの皮膚がんの臨床研究では、良好な治療効果を示す結果が報告されており、今後の保険適用拡大を目指した研究開発が進められています。※2、4、5

BNCT治療の主な流れ

治療の流れとして、まずは患者さんがインフォームドコンセントを受け、治療の内容を理解する必要があります。
その後、PET検査によって病巣部へのホウ素の集積濃度を確認したのち、適切な放射線の量や照射の方向などを検討します。
ホウ素薬剤の点滴を受けて数時間経過後に、治療を開始します。照射は1~2回、所要時間は30~90分程度です。※4

照射中は最適な照射体位を保つために固定されます。その際、人によっては窮屈で苦しいと感じることがありますが、治療自体による痛みはありません。また、BNCTは従来の放射線治療と比べて、副反応も少ないといわれています。※6

重粒子線治療の副作用

X線の放射線治療と比べて周囲の正常な細胞を傷つけることが最小限に抑えられるため、副作用も少ないです。しかし、早期合併症や晩期合併症が起こる可能性はゼロではなく、照射部位や照射量、照射回数によって、何らかの副作用がみられることがあります。重粒子線治療が臨床で開始された当初は、晩期合併症として潰瘍や穿孔が見られる患者さんもいましたが、その後、重粒子線の照射精度をさらに高めたりすることで、合併症がかなり減ってきています。

BNCTの治療費

BNCTの治療費の総額は、技術料と薬剤代を合わせて約400~500万円です。保険診療の適用となる治療の場合は通常の治療と同様に、その1~3割を自己負担することになります。
「高額療養費制度」も適用され、負担額は患者さんの年齢や所得によって異なります。詳細は加入する保険者や厚生労働省のWebサイトでご確認ください。※6

治療施設

これまでBNCTを行うには、中性子を発生させるための原子炉が必要とされたため、広く普及するには難しい状況にありました。しかし、直線加速器を利用して中性子を出すシステムが開発されたことで、一般の医療機関にも小型で安全なBNCTシステムの導入が可能となりました。※1

BNCTの実施が可能な医療機関

2022年11月時点で、BNCTの実施が可能な国内の医療機関は以下の通りです。
南東北BNCT研究センター
大阪医科薬科大学関西BNCT共同医療センター
国立がん研究センター中央病院

 

導入計画中の医療機関または研究機関

また、以下の医療機関および研究機関では、BNCTの導入を計画中となっています。
●筑波大学陽子線医学医用研究センター
●湘南鎌倉総合病院先端医療センター
●中部国際医療センター
●京都府立医科大学ロームBNCTセンター
●岡山大学中性子医療研究センター※7

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