更新日:2021/01/02
ガンとわかったら読む本
がんと告知されたら多くの人がショックを受けるに違いありません。その背景には、がん=死というイメージがあるからだと著者の佐藤典宏氏は指摘します。佐藤氏はがん治療に携わる現役の医師。同著はそんながんのイメージが変わるような内容で構成されています。
がんと告知されたら患者として何を知っておくべきなのか。どのように対応すればよいのか。さまざまなテーマで構成されているので、どこから読んでも大丈夫。がんと診断されたら手にしたい一冊です。
がんの誤ったイメージ
がんは糖尿病や高血圧など他の病気と違って、診断された時の衝撃が大きい病気です。それはがんの誤ったイメージが植え付けられてきたからだ、と著者の佐藤医師は指摘します。
佐藤医師によると、がんになっても六割の人は治るとのこと。つまり、がんは死に至る病気ではなく、治る病気とみなされるようになったということです。
実際、国立がん研究センターの最新のデータでは、全てのがん患者さんの五年生存率は67.6%、十年生存率は55.5%となっています。加えて、十年以降にがんが再発することは稀なため、がんになっても六割の方が治るということになるのだそうです。
でも、やはりがんと告知されると落ち込むのは当然のこと。そんな時でも二週間を目安に気持ちを立て直すことを佐藤医師はすすめています。というのも、心の状態と免疫機能は関連しているため、不安や憂鬱な気持ちが続くと免疫力が低下するおそれがあるからです。
気持ちが落ち込んだ時には、友人や家族などに話をするなどして気持ちを切り替えることが必要。話すことで気持ちの整理がついて心の落ち着きを取り戻すことも多いからです。また、がんサバイバーの体験記を読んだり、がん相談支援センターに相談したりすることもおすすめだそうです。
病院や主治医の専門性のチェックを
がんの治療は長期戦になることが多いため、どんな病院で治療を受けるのかということがとても重要になってきます。長い人では10年、通常でも5年は定期的に検査を受けなければならないからです。
そこで病院を選ぶ際に意識すべき点としてあげられているのが、がん診療において十分な設備とマンパワーを備えた病院であるかどうかということ。設備が不足している病院や常勤の医師の数が極端に少ない病院は避けた方がよいようです。そのため候補としてあがってくるのは、がんセンターや大学病院。その中でも専門性を確認することが必要だと佐藤医師はいいます。専門性を判断する材料のひとつが手術数。最近ではがんの手術数や治療成績をホームページに掲載している病院も多いため、こういったものを活用するとよいでしょう。
また、通いやすいというのも外せないポイントです。治療は一度や二度で終わるものではありません。具合が悪くなった時に緊急受診することもあるかも知れませんので、自宅から近いところが負担も少なくて便利です。
そして忘れてはいけいなのが医師の専門性です。医師といっても専門性はさまざまなので、自分が受ける治療について主治医が何を専門としているのか確認することが大切になってきます。医師の専門性については、ホームページのプロフィールに記載されていることが多いのでチェックするのもいいでしょう。もし記載がなければ医師に直接尋ねる方法もあります。
治療法は医師お任せでなく自分で決めよう
病院や主治医が決まったら、次は治療法の選択です。ここで重要となるのが、言われるままの治療ではダメだということです。治療の選択肢が二つ以上ある場合や主治医の治療方針に納得できない時には、必要に応じてセカンドオピニオンを申し出るとよいでしょう。
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