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更新日:2026/07/30

がん心理の推移

がんと診断されたあと、気持ちが大きく揺れ動くことは珍しくありません。気持ちが不安定になったり、やり場のない思いがあらわれたりすることは、事実を一度に受け止められないときに起こる、自然な心の反応です※2。

この記事では、診断後の心の変化がどのように移っていくのか、そしてつらさが続くときにどこへ相談できるのかを整理します。ご本人だけでなく、ご家族が読むことも想定しています。

心理状態の遷移

がんと診断されたあとの心の変化は、大きく3つの時期に分けて説明されています※1。

がん診断後の心の変化を3段階で示す図。ショック・混乱の時期、不安・落ち込みの時期を経て、通常2週間程度で再適応の時期に進む
診断直後から再適応までの流れ

ただし、進み方や速さには個人差があります。この順に進まないこともあり、行き来することもあります。以下は「多くの場合こう移っていく」という説明であって、こうならなければおかしいという意味ではありません。

衝撃段階

診断を受けた直後の、ショックと混乱の時期です。「頭が真っ白になった」という状態になります※1。

このとき起こりやすい反応として、次のようなものが挙げられています※1。

  • 「まさか自分ががんのはずがない」という否定感
  • 「なぜ自分だけ」という怒りや自責感

説明を聞いたはずなのに内容を思い出せない、質問しようと思っていたことが飛んでしまう、といったことも起こります。診断直後の説明は、可能であればご家族と一緒に聞く、メモを取る、後日改めて質問する、といった備えが役に立ちます。

不安定段階

ショックのあとに続く、不安と落ち込みの時期です。次のような状態があらわれます※1。

  • 眠れない
  • 気分が落ち込む
  • 食欲がない
  • 集中力が落ちる
  • 周囲から取り残されたような疎外感を感じる

これらは気持ちの問題だけでなく、睡眠や食事といった生活の基本に影響します。「気の持ちよう」で片づけず、担当医や看護師に伝えてよい症状です。

適応段階

通常は2週間程度で、再適応の時期に進むとされています※1。現実的な適応ができるようになり、治療に取り組み始められるようになります※1。

ここで大切なのは、「前向きにならなければいけない」わけではないということです。がんと向き合う気持ちの持ち方は人それぞれで、闘う姿勢をとる人もいれば、淡々と治療を受ける人もいます。前向きになれないことを、うまくいっていない証拠と考える必要はありません。

適応障害

一方で、がんである現実を前に動揺が長引き、日常生活に支障が出ている状態は、医学的に「適応障害」とされます※1。

さらに深刻な状態として、気分障害(うつ状態)があります。2週間以上続き、「消えていなくなってしまいたい」という気持ち(希死念慮)を伴うこともあります※1。

これらは意思の弱さではなく、対応が必要な状態です。「何も考えられない」「不安で不安でしょうがない」という状態が続いているときは、相談してください※2。次の章で相談先を挙げます。

つらさを相談できる場所

つらさを一人で抱える必要はありません。相談先として次の3つが挙げられています※2。

つらさの相談先を示す図。家族や信頼できる友人、医師や医療スタッフ、がん相談支援センターの3つ
相談先は3つある

家族や信頼できる友人

気持ちを言葉にして誰かに話すことが、そのまま助けになることがあります。うまく説明できなくてもかまいません。

医師や医療スタッフ

眠れない、食欲がない、気分が落ち込むといった状態は、治療と並行して対応できることがあります。担当医や看護師に伝えてください。

がん相談支援センター

全国の「がん診療連携拠点病院」「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されている相談窓口です※3。

項目内容
利用できる人患者さん本人だけでなく、ご家族や地域の方など、どなたでも。その病院に通っていなくても利用できる
費用無料
匿名可能。同意なく担当医や病院スタッフに内容が共有されることはない
対応する人看護師やソーシャルワーカーなどの相談員
相談できること診断、治療、副作用、療養生活、お金、仕事、学校、家族関係など

相談員は、今の気持ちによりそいながら、これからどうしていくのかを考える手伝いをするとされています※2。「まだ何を聞きたいか整理できていない」という段階でも利用できます。

ご家族へ

ご本人が上記のような心の変化のなかにいるとき、ご家族も同じように不安を抱えます。がん相談支援センターは、ご家族も無料・匿名で利用できます※3。

ご本人への接し方についてはがん患者との接し方、不安そのものについてはがんの不安、気持ちの切り替え方についてはがんのストレス解消法もあわせてご覧ください。介護の負担については家族介護者とがんで扱っています。

本記事は2026年7月27日時点の公的機関の情報をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。心の変化のあらわれ方や時期には個人差があり、記載の内容がすべての方にあてはまるものではありません。つらさが続く場合は、必ず主治医または医療スタッフにご相談ください。

参考資料

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「がんと心」(最終確認日: 2026年7月27日)
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス「がんと診断されたあなたへ、不安を感じたときには」(最終確認日: 2026年7月27日)
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「がん相談支援センターとは」(最終確認日: 2026年7月27日)

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