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更新日:2020/12/31

エンディングノート

近年、「エンディングノート」と題されたものを見かけるようになりました。似た様な言葉に「終活」がありますが、これは「どのような最期を迎えたいかを考え、そこに辿り着くまでに起こるさまざまな準備や手続きをすること」ですから、エンディングノートは終活の記録とも言えます。

エンディングノートとは何か

エンディングノートを書くことは自分の死をイメージすることになりますから、怖くて書けないという気持ちになるのは当然です。では、このように考えるのはどうでしょう。

人は、災害や病気やケガ、死に備えて保険に加入したり、防災グッズや非常食を揃えたりします。たとえば、医療保険に加入する際に「がん保険」を選択することもあるでしょう。これは、がんになると医療費が高額になることが分かっているために、予め準備をしておくという気持ちの現れといえます。つまり人は、いつ起こるのかわからないことに対して備えることは怖がりません。また、災害が起こったときは、被害状況などの情報を収集することは躊躇しません。

これと同じで、エンディングノートも、「いつか訪れるその時への準備の1つ」として具体的に書き記しておくことだと考えれば、構えることなく、気楽にできるのではないでしょうか。そうして書き貯められたもの=エンディングノートは、あなたとあなたの家族のこれからの人生にとっての「お役立ちノート」となるのです。

エンディングノートには決まりはあるのか

エンディングノートには、決まりごとはありません。おおよそは、①あなたの情報②あなたの家族のために書き残す情報という構成になることが多いようです。

自分自身の情報

これは、履歴書をイメージするとわかりやすいかもしれません。

●名前、生年月日、血液型、身長、体重などの基本情報
●勤務先名称や所属・住所・連絡先、緊急連絡先など今現在の情報
●学歴や職歴、資格などこれまでの歩み
●強く印象に残っているエピソードや感動したことなど、過去の思い出について
●趣味や音楽、料理や場所、人や言葉など、今好きなことについて
●これから先、将来やりたいことについて

これらの情報をまとめていくことで、自分らしく、生きてきたことを振り返る自分史も含めたエンディングノートになります。さらに本籍の移転歴を加えておくと、後々、書類を揃える際に役に立ちます。

家族のために書き残す情報

これには3つの要素があります。

1.自分の気持ち:感謝の気持ち、幸せでいて欲しい、迷惑をかけたくない、苦労をかけたくない、などを記しておきます。同時に自分が思う最期についても書き加えておくと、自分はもちろんですが家族が後悔することも無くなるでしょう。

2.現実の問題:人脈や交友関係について、所属や連絡先などのリスト化、緊急時に連絡してほしい人、相談すべき人などについて、リストを見た家族が分かるようにしておきます。相手と自分の立場や関係を、その理由もつけて記しておきましょう。遺品となる縁の品、金融などの取引関係、さまざまな登録関係など、通常本人しか知り得ない情報についてもしっかりと明記しておく必要があります。

3.今後への備え:エンディングノートには本人の希望や意思が書かれていますから、「本人が望んだことをしてあげたい」と言えることは、周囲からの批判的な意見に対しての支えになります。また、さまざまな手続きに対するトラブルや問題に対応することができます。

エンディングノートに書く具体的なこと

エンディングノートを書く時は、お金に関することを整理しましょう。具体的には次のようなことです。

●金融資産:預貯金の種別、口座ごとの金融機関名と銘柄、名義、番号、用途や満期日
●株式や投資信託:取引機関名、種類や銘柄、額面や番号
●不動産:所在地や地積や面積
●ローン:種別、借入先、金利や残高、期日、担保の有無
●年金や保険:公的私的に関わらず、種別、基礎年金番号や証券番号、契約者や被保険者、受取人、加入期間や満期日

エンディングノートには、これらの情報を過不足なく、整理して記述します。相続の関係者も把握しておきましょう。特に保険に関することは、この先の自分の生き方や家族との関係にも関わる部分です。今後、何か大きな病気、たとえば「がん」になったときは、高額な医療費が必要になるかもしれませんので、しっかり把握しておきましょう。

また、戸籍謄本から親族家系図を作成して連絡先をリスト化し、法定相続人も確認し記述します。両親の戸籍謄本からは、未知の兄弟姉妹の存在や養子縁組を知ることができます。相続に影響することもありますから、これも大事な情報です。 さらに、この先の住まいについても考えておきましょう。高齢者の住宅系住まいには、元気なうちに住み替えて一定の介護状態になった場合に再度住み替えが必要になる住まいと、そのまま住み続けられる住まいがあります。施設系住まいでは、要介護度に要件が定められていることが多く、受けることができるサービスや費用負担が違います。住み替えをせずに自宅に住み続ける場合、要介護度が上がると家族の同居や支援が必須になります。どのような状態になったらどうしたいのか、早めに決めてエンディングノートに書き留めておきましょう。

そして「自分がどのような最期を迎えたいのか」を明記しておくと、本人にも家族にも悔いを残しません。多くの人は、大事な人に囲まれ、苦痛が無く尊厳を持ってその時を迎えることを望むでしょう。理想の看取りのためにも、自分が希望する最期を家族に伝えておきましょう。病状の告知、意識や判断能力が低下したらどうするか、延命治療を受けるかどうか、受けたい緩和ケア、治療の判断をする人物、臨終の場所はどこにするのかなど、より具体的に考え記入しておきます。

エンディングノートはいつ書けば良い?

エンディングノートは、いつでも書き始めることができます。「今」思うこと・感じることを、「自分の情報」や「家族に向けての情報」という2つの側面を意識しながら、人生の節目や思い立った時など、誰もがいつでも書き始めることができるのです。

また、エンディングノートは誰かと一緒に始めることもできます。書いたものをお子さんに見せるのも良いでしょう。あなたの人生を振り返るものであると同時に、それはお子さんへのメッセージにもなるはずです。逆に、書いていることを親に知らせても良いでしょう。子どもの頃を一緒に振り返り、親の話を聞くきかっけにもなります。「お母さんも書いてみたら?」と話してみることで、親の終活の背中を押すこともできます。

いつでも始めることができるエンディングノートですが、終活は体も頭も使いますから、ある程度の余力がある50代くらいで一度書いてみることをおすすめします。この世代は、親や子とその内容を分かち合うことができます。今は元気でも、生活習慣病は40歳以降で増えるといわれていますし、50歳はがんの好発年齢にさしかかります。その時になって慌てることが無いよう、情報を整理しておきましょう。

また、エンディングノートは書いたら終わりではなく、定期的に内容を更新することが大切です。自分自身のこと、家族構成や状況、資産内容に変化があれば修正し、「今」の自分の思いを書き残しておきます。エンディングノートに「できあがり」はないのです。

参考資料

(Web):
一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 40歳以降で生活習慣病が増加 【2010年国民健康・栄養調査】
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/calendar/2012/001977.php
国立がん研究センター がん情報サービス 最新がん統計
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

(書籍):
安藤信平(著) ファイナンシャルプランナーが教える終活デザインブック 2017年12月発行 合同フォレスト株式会社

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