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更新日:2024/06/15

CA9を標的とするがん放射性医薬候補品 64Cu-PD-32766の特定臨床研究が開始

国立がん研究センターは、淡明細胞型腎細胞がん患者を対象にした特定臨床研究において、CA9を標的とするCu-PD-32766のPETイメージングのファースト・イン・ヒューマン試験を開始しました。この研究では、Cu-PD-32766の診断的有用性と治療効果の可能性を検討することが期待されています。

国立がん研究センター東病院とペプチドリーム株式会社は、淡明細胞型腎細胞がん患者を対象にした特定臨床研究において、CA9を標的とするCu標識ペプチドであるCu-PD-32766を投与する研究を開始しました。この研究では、64Cu-PD-32766の安全性や薬物動態、病変部への集積性を確認することが目的とされています。

淡明細胞型腎細胞がんは日本のがん患者の中で多く見られる一種であり、その治療法の開発が求められています。CA9はこのがんに高発現しているため、その標的とすることで効果的な治療を行う可能性があります。
この研究結果は、放射性医薬品分野の臨床開発に大きな貢献をすることが期待されます。

国立がん研究センター東病院の病院長である土井俊彦氏は、「この特定臨床研究において、Cu-PD-32766が最初の淡明細胞型腎細胞がんの患者への投与に至ったことを大変喜ばしく思っています。この治療法は、淡明細胞型腎細胞がんの患者にとって非常に有望な新たな選択肢となる可能性があります。」とコメントしました。

ペプチドリーム株式会社の代表取締役社長CEOであるリード・パトリック氏も、「この特定臨床研究において、64Cu-PD-32766の投与が達成されたことを大変喜ばしく思います。ペプチドリームグループは、がんを標的としたペプチドと放射性核種を組み合わせることにより、がん診断と治療の一体化を目指して取り組んでいます。今回の研究結果をもとに、さらなる臨床開発を加速させていきたいと考えています。」と述べています。

この特定臨床研究は、淡明細胞型腎細胞がん患者の初発例や再発例を対象に、64Cu-PD-32766によるPET/CT検査の安全性、薬物動態、被ばく線量を評価することを目的としています。研究対象者は遠隔転移病変または病側腎の全摘除後の摘除部位からの局所再発病変を有する淡明細胞型腎細胞がん患者であり、実施予定被験者数は6名です。

この特定臨床研究の研究責任医師は稲木杏吏氏であり、主たる評価項目は患者ごとのPETでの集積陽性率です。副次的な評価項目としては、病変ごとのPETでの集積陽性率、安全性、薬物動態、推定被ばく線量などが挙げられています。

この特定臨床研究は、がん診断や治療の分野において大きな進歩をもたらすことが期待されます。今後の研究結果に注目です。 (Medister編集部 2024年6月5日)

<参考資料>
CA9を標的とするがん放射性医薬候補品 64Cu-PD-32766の 淡明細胞型腎細胞がん患者さんを対象とした特定臨床研究を開始

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