更新日:2024/06/15
テロメラーゼ逆転写酵素がこれまで知られていなかった機序でがん化を促進することを発見
国立がん研究センターによる最新の研究により、テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)ががん化を促進する新たな機序が明らかにされました。従来はhTERTがテロメアと呼ばれる染色体末端を伸ばすことでがん化に関与していると考えられていましたが、この研究では、hTERTががん細胞にとって有害なゲノム異常を排除し、がんの生存に有利に作用していることがわかりました。
研究チームは、多種多様ながん種を調査した結果、肉腫などで従来hTERTが存在しないとされていたがんでも、この新たな機能が確認されました。また、hTERTの新たな機能を阻害することで、がん細胞が死滅することも確認され、新たながん治療法の開発につながる可能性があります。
この研究成果は、国立がん研究センターをはじめとする複数の研究機関による共同研究によって得られました。今後の研究では、さらにhTERTのゲノム修復機能を標的にした新しいがん治療法の開発が期待されています。
(Medister編集部 2024年5月30日)
<参考資料>
テロメラーゼ逆転写酵素がこれまで知られていなかった機序でがん化を促進することを発見