更新日:2024/05/11
国立がん研究センターとJmees、AIによって大腸内視鏡検査前処置時の排便性状を判定するアプリ「ナースコープ」を開発・リリース
国立がん研究センター東病院と株式会社Jmeesは、AIによって大腸内視鏡検査の前処置の排便性状を自動で判定するアプリ「ナースコープ」を共同で開発し、リリースしました。このアプリを使用することで、患者さんの心理的負担や看護師の業務負担を軽減することが期待されています。
発表のポイント
• 「ナースコープ」は、大腸内視鏡検査前処置時の排便性状をAIが自動で判定します。
• アプリの使用により、患者さんの心理的負担や看護師の業務負担の軽減が期待されます。
• ナースコープの汎用性についても今後検証していく予定です。
概要
国立がん研究センター東病院と株式会社Jmeesが共同開発した「ナースコープ」は、患者さん本人がスマートフォンにインストールし、大腸内視鏡検査前処置時の排便を撮影することで、その排便性状をAIが自動で判定します。判定結果は患者さんや看護師が瞬時に確認し、大腸内視鏡検査を実施する際の参考にすることができます。また、初心者でも操作しやすいデザインを目指し、ナースコープは看護師を意味する「nurse」と内視鏡を意味する「scope」に由来した名前です。
「ナースコープ」の開発は、大腸内視鏡検査の前処置における排便性状判定の課題を解決するために行われました。従来の方法では、看護師が患者さんの排便性状を確認し、検査可能な状態かを判断していましたが、看護師の業務負担や判定の一貫性が課題となっていました。また、患者さんが自ら排便性状を確認する場合にも不安や心理的負担がありました。そこで、国立がん研究センター東病院と株式会社Jmeesは、AIによる排便性状判定の実現を目指し、匿名化された排便画像を収集し機械学習を行いました。その結果、ナースコープが大腸内視鏡検査の質を保ちつつ、患者さんの不安を軽減することが示されました。
「ナースコープ」は、Jmeesのホームページから無料でダウンロードできます。今後は、本アプリの汎用性を検証するために日本国内で多施設共同の臨床試験を実施し、患者さんと医療従事者の負担軽減に貢献していく予定です。
(Medister編集部 2024年5月9日)
<参考資料>
国立がん研究センターとJmeesAIによって大腸内視鏡検査前処置時の排便性状を判定するアプリ「ナースコープ」を開発・リリース