更新日:2024/05/11
がんのタイプ分けなどのゲノム医療分野の課題を世界最高精度で解く、説明可能なAI技術を開発
中外製薬株式会社、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院、大阪医科薬科大学病院、株式会社MICINは、新しい分散化臨床試験(DCT)実施体制を導入し、進行固形がん患者さんを対象とした中外製薬主導の第I相臨床試験においてDCTを開始しました。DCTにより、患者さんの臨床試験へのアクセス向上が期待され、地方在住の患者さんにも新薬候補の臨床試験への参加が可能になります。
背景、および取り組み内容
臨床試験への参加機会が限られている地方在住の患者さんにとって、臨床試験へのアクセスは困難を伴うものでした。そこで、DCTを活用することで、患者さんの負担を軽減し、地方在住の患者さんも治験に参加できる環境を整えることが重要とされています。本試験では、中外製薬主導の第I相臨床試験において、国立がん研究センター中央病院と大阪医科薬科大学病院が連携し、オンライン診療を活用して検査や評価を実施します。
コメント
中外製薬株式会社の奥田修社長は、「患者中心の高度で持続可能な医療の実現を目指す中外製薬が、患者さんのアクセス向上を重視してDCTを導入しました。患者さんをパートナーとして、医薬品開発を進めていきます」とコメントしています。
国立がん研究センター中央病院の瀬戸泰之病院長は、「DCTを活用することで、地方在住の患者さんにもがん治療の機会を提供することが可能になります。日本全国の患者さんが必要な治療薬にアクセスできる環境を整えることが当院の使命です」と述べています。
大阪医科薬科大学病院の勝間田敬弘病院長は、「地方においてもがん患者さんのアクセス改善を実現するため、本試験に積極的に取り組んでいます。DCTによる実施体制の構築を通じて、多くの患者さんが臨床試験にアクセスできる環境を整えていきます」とコメントしています。
株式会社MICINの原聖吾代表取締役は、「DCTによる治験への参加選択肢が広がることで、患者さんの負担軽減が期待されます。DCTのリーディングカンパニーとして、新しい治験の在り方に貢献してまいります」と述べています。
(Medister編集部 2024年5月9日)
<参考資料>
国立がん研究センター 中外製薬、国立がん研究センター中央病院、大阪医科薬科大学病院、MICIN、4者連携での新しいDCT実施体制による、がんに対する第I相臨床試験を開始