更新日:2024/01/06
早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法による切らない治療が薬事承認・保険適用を取得
国立がん研究センターは、早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法の切らない治療が、薬事承認と保険適用を取得したことを発表しました。この治療法は、乳がんを切除する手術を避けることができる低侵襲な治療方法であり、日本初の医療機器の薬事承認取得となります。
• 国立がん研究センターの医師主導特定臨床研究「早期乳癌へのラジオ波熱焼灼療法の有効性の検証と標準化に向けた多施設共同研究(RAFAELO試験)」の成果を活用し、Cool-tip RFAシステム Eシリーズを用いたラジオ波焼灼療法の早期乳がんへの適応追加の薬事承認と保険適用が得られました。
• 早期乳がんにおいて、乳房を切ることのない低侵襲な治療選択肢が新たに加わりました。
• この治療法は世界初の薬事承認取得となります。
ラジオ波焼灼療法(RFA)とは
ラジオ波焼灼療法は、電極をがん内に挿入し、ラジオ波帯の電流を流すことで発生する熱を利用してがんを焼灼する治療法です。手術に比べて身体への負担が少なく、早期乳がんの切除手術を避けることができます。
RAFAELO試験(NCCH1409試験)について
RAFAELO試験は、早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法の有効性と安全性を評価する医師主導特定臨床研究です。国立がん研究センター中央病院を中心に、全国9施設で行われ、372名の患者さんに参加していただきました。この試験における短期成績によると、乳房内無再発生存割合は標準治療である乳房部分切除術に劣らない成績が得られました。
国立がん研究センターの医師主導特定臨床研究の成果を基にしたこの治療法は、早期乳がんの患者さんにとって重要な選択肢となるでしょう。
(Medister編集部 2023年12月16日)
<参考資料>
早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法による切らない治療が薬事承認・保険適用を取得 先進医療制度下で実施した医師主導特定臨床研究の成果を活用