更新日:2023/09/09
国立がん研究センター、希少がんに対するオンライン治験を開始
国立がん研究センターは、希少がんに対する2つの医師主導治験において、オンライン治験を開始したと発表しました。これにより、地方在住の患者さんも近隣の医療機関を通じて治験へ参加することができ、治験アクセスの改善が期待されます。また、治験にかかるコスト削減や、治験全体の効率化も見込まれています。
オンライン治験によって、地方在住の患者さんの治験アクセスが劇的に改善するだけでなく、患者登録スピードの加速による早期の治験完了も期待されます。国立がん研究センターは、全国のがんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院と連携し、希少がん治療開発の効率化、迅速化を行っていく予定です。
オンライン治験の導入により、遠隔地から中央病院で実施している治験に参加することを希望した患者さんでも、移動のための時間的、経済的負担によって断念するケースが減少することが期待されます。希少がんについては、全国の7施設と15の製薬企業が参画するMASTER KEYプロジェクトで実施されており、今回のオンライン治験をはじめとする取り組みによって、希少がんに対する有効な治療法の開発が加速されることが期待されます。
また、オンライン治験は、地方在住の患者さんだけでなく、中央病院に通うことが難しい患者さんにも利用価値があります。今後、中央病院では、MASTER KEYプロジェクトで実施される医師主導治験・企業治験にも積極的にオンライン治験の導入を進めていく予定です。さらに、患者さんのニーズや研究の特徴にあわせ、治験へのアクセスを改善する取り組みを進めていくとしています。
(Medister編集部 2023年9月5日)
<参考資料>
希少がんに対するオンライン治験を開始 地域に居ながらにして中央病院が実施する医師主導治験へ参加することが可能に