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更新日:2023/06/24

「レンビマ®」(レンバチニブ)と「キイトルーダ®」(ペムブロリズマブ)の併用療法に関する進行性メラノーマ(LEAP-003)ならびに転移性大腸がん(LEAP-017)を対象とした臨床第Ⅲ相試験の状況について

エーザイ株式会社(以下 エーザイ)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、エーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)の併用療法について、臨床第Ⅲ相LEAP-003試験ならびにLEAP-017試験の状況を報告した。

LEAP-003試験について:両社は、成人の切除不能または転移性メラノーマの一次治療として、本併用療法を評価する臨床第Ⅲ相LEAP-003試験を中止する決定をした。本決定は、独立データモニタリング委員会からの推奨に基づくものであり、本委員会は、事前に規定された中間解析の結果から、本併用療法は、「キイトルーダ」単剤療法(「キイトルーダ」+プラセボ)と比較して、2つの主要評価項目の一つである全生存期間(Overall Survival: OS)の改善を示さないと判断した。両社は、治験責任医師に本決定を伝達し、患者様との今後の治療についての話し合いをお願いしている。なお、本試験のもう一つの主要評価項目である無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)については、本併用療法は、より早い段階の中間解析において、「キイトルーダ」単剤療法に対する統計学的に有意な延長を示している。

LEAP-017試験について:前治療に対して増悪または不耐容となった、ミスマッチ修復機構を有するまたは高頻度マイクロサテライト不安定性を有さない切除不能転移性大腸がんにおいて、本併用療法を評価する臨床第Ⅲ相LEAP-017試験については、主要評価項目であるOSを達成できなかった。本試験の最終解析において、本併用療法は、対照薬であるレゴラフェニブまたはTAS-102(トリフルリジンとチピラシル塩酸塩の合剤)に対してOSの改善傾向を示したが、事前に定められた統計学的有意性の基準を満たさなかった。重要な副次評価項目であるPFS、奏効率(Objective Response Rate: ORR)および奏効期間(Duration Of Response: DOR)についても、本併用療法は、レゴラフェニブまたはTAS-102に対して改善傾向を示した。なお、事前に定められた統計解析計画に従い、統計学的有意性は検証されなかった。

LEAP-003試験およびLEAP-017試験における、本併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されているものと同様であった。両社は、今後これらの試験データに関する事前に計画された部分集団解析を含むすべての評価を完了し、その結果を治験責任医師と協力してサイエンティフィックコミュニティに共有していく。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA 研究開発本部グローバル臨床開発のバイスプレジデントであるGregory Lubiniecki博士は、「両試験にご協力いただいた治験責任医師、患者さんとそのご家族の皆様に感謝します。我々は、新たな治療選択肢が求められている複数のがんにおいて、本併用療法の評価を引き続き行います。我々は、できるだけ多くのがん患者さんに貢献するための取り組みとして、既存の治療法をさらに発展させることに全力で取り組みます」と述べている。

Eisai Inc. オンコロジー臨床開発のシニアバイスプレジデントであるCorina Dutcus M.D.は、「LEAP-003試験とLEAP-017試験により、我々は、メラノーマと大腸がんの中でも難治性の進行性がんの患者様の治療アウトカムを改善することをめざしました。両試験の結果は我々が期待したものとは異なりましたが、得られた知見は、『レンビマ』と『キイトルーダ』の併用療法のさらなる理解のために活用されます。我々は、当社のオンコロジーポートフォリオの中核である『レンビマ』に引き続き自信を持っており、LEAPプログラムで進行中の試験において、その可能性を追求していきます」と述べている。

本併用療法は、日本、米国、欧州をはじめとする世界各国において進行性子宮内膜がん(日本においては子宮体がん)および進行性腎細胞がんに係る適応で承認を取得している。なお、今回のLEAP-003試験およびLEAP-017試験の結果は、本併用療法の現在承認されている適応症に影響を与えるものではない。両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、本併用療法の子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部がん、大腸がん、胃がん、食道がんを含む複数のがん種における10を超える臨床試験を実施中である。
(Medister 2023年6月24日 中立元樹)

<参考資料>
エーザイ株式会社ニュースリリース 「レンビマ®」(レンバチニブ)と「キイトルーダ®」(ペムブロリズマブ)の併用療法に関する進行性メラノーマ(LEAP-003)ならびに転移性大腸がん(LEAP-017)を対象とした臨床第Ⅲ相試験の状況について

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