更新日:2023/03/27
米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム2023において消化器系がんに対する治療薬の最新の開発研究の演題を発表
エーザイ株式会社は、2023年1月19日から21日まで米国カリフォルニア州サンフランシスコおよびバーチャル形式で開催された「米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム2023」において、消化器系の複数のがん種での研究に関する知見を発表した。
この学会では、CREB-binding protein (CBP) / β-catenin相互作用阻害剤E7386を、大腸がんを含む進行性固形がんにおいて評価する臨床第Ⅰ相試験の用量漸増パートの最新知見を発表した。これらの追加解析結果に基づき、拡大パートにおいて、2つの用量での本開発品の安全性、予備的な有効性、薬物動態およびバイオマーカーに関するさらなる解析が進行中である。
レンバチニブ(製品名:レンビマ®)とペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ®)の併用療法を評価するLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムの研究結果としては、切除不能肝細胞がんの一次治療として、レンバチニブ単剤療法と比較して評価する臨床第Ⅲ相LEAP-002試験における健康関連クオリティ・オブ・ライフ解析結果を発表した。また、自社創製の開発品E7389(一般名:エリブリン)のリポソーム製剤(Liposomal Formulation: LF)について、固形がんにおけるニボルマブとの併用療法試験における食道がんコホートおよび胃がんコホートの試験結果を発表した。
エーザイ社チーフサイエンティフィックオフィサーである常務執行役・大和隆志博士は、「大腸がんを含む進行性固形がんを対象に当社の開発品である新規抗がん剤E7386を評価する臨床第Ⅰ相試験の結果をはじめとする新たな知見を世界中の消化器がん専門家が集うシンポジウムで共有できることを嬉しく思います。このたび発表する大腸がん、食道がん、胃がん、肝臓がんに関する研究結果は、世界のがん罹患数の4分の1以上を占める消化器がん1に関する研究への当社の取り組みの成果です」と述べた。
レンバチニブについて、単剤療法およびペムブロリズマブとの併用療法に関して、エーザイ社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結している。現在、本併用療法については、LEAP臨床プログラムのもと、複数のがん種における10を超える臨床試験を実施中である。
(Medister 2023年3月27日 中立元樹)
<参考資料>
エーザイ株式会社ニュースリリース 米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム2023において消化器系がんに対する治療薬の最新の開発研究の演題を発表