更新日:2023/02/10
アストラゼネカのイミフィンジと化学療法の併用療法、進行胆道がんに対する初の免疫治療薬として、欧州医薬品評価委員会(CHMP)より承認勧告を取得
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者[CEO]:パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、切除不能または転移性胆道がん(BTC)の成人患者の一次治療薬として、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ)が、化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法で、欧州連合(EU)での製造販売承認の勧告を受けたことを発表した。
胆道がん(BTC)は、胆管や胆嚢にできる希少で悪性度の高いがんである。毎年、米国では約210,000人、欧州全体では約40,000人が胆嚢がんまたは胆管がんと診断されている。BTCの患者の予後は不良で、5年生存率は約5~15%である。
第Ⅲ相TOPAZ-1試験の治験責任医師であり、マンチェスター大学(英国)腫瘍内科教授のJuan W. Valle氏は次のように述べている。「今回の肯定的見解は、予後不良で、治療選択肢が限られている欧州の進行胆道がん患者さんにとって歓迎すべきニュースです。デュルバルマブと化学療法の併用療法は、この10年間治療に大きな進展がなかったこの疾患においてようやく実現した大きな前進であり、このレジメンが承認されれば新たな標準治療となり得ると期待しています」。
アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&Dの責任者であるSusan Galbraithは次のように述べている。「イミフィンジと化学療法の併用療法が承認されることで、進行胆道がんの患者さんに対して免疫治療に基づく併用療法を初めて提供できるようになります。この革新的なレジメンで、患者さんの生存期間は大幅に延長されており、欧州の患者さんにこの治療選択肢を1日も早くお届けできることを楽しみにしています」。
イミフィンジと化学療法の併用療法の忍容性は概ね良好であり、新たな安全性上の懸念は確認されておらず、化学療法単独と比較して、有害事象を原因とする投与中止率の上昇は認められなかった。グレード3または4の治療に関連する有害事象が、イミフィンジと化学療法の併用療法を受けた患者の60.9%および化学療法単独の投与を受けた患者の63.5%で認められた。
イミフィンジと化学療法の併用療法は、局所進行または転移性胆道がんの治療薬として、米国、カナダ、韓国およびブラジルで承認されている。現在、TOPAZ-1試験の結果に基づいた販売承認申請は、日本やその他の国々においても、規制当局による審査が進行中である。
(Medister 2023年1月16日 中立元樹)
<参考資料>
アストラゼネカ株式会社プレスリリース アストラゼネカのイミフィンジと化学療法の併用療法、進行胆道がんに対する初の免疫治療薬として、欧州医薬品評価委員会(CHMP)より承認勧告を取得