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更新日:2022/04/09

「レンビマ®」(レンバチニブ)、「キイトルーダ®」(ペムブロリズマブ)との併用療法について、進行性腎細胞がん一次療法として台湾において承認を取得

エーザイ株式会社(以下 エーザイ)は、自社創製のチロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.(北米以外ではMSD)の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法による進行性腎細胞がん一次療法としての適応で、台湾において承認を取得した。今回の承認は、「レンビマ」の「キイトルーダ」との併用療法による、アジアにおける進行性腎細胞がんに対する初めての承認となる。

この承認は、進行性腎細胞がんの一次治療を対象とした臨床第Ⅲ相CLEAR(307)試験/KEYNOTE-581試験の結果に基づいている。本試験結果は、2021年2月に開催された米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム2021での発表と同時にthe New England Journal of Medicineに掲載された。本試験では、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は、有効性主要評価項目である無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)、並びに重要な有効性副次評価項目である全生存期間(Overall Survival: OS)と奏効率(Objective Response Rate: ORR)について、対照薬のスニチニブに対する統計学的に有意な改善を示した。本併用療法のPFSは中央値が23.9カ月であり、スニチニブの9.2カ月と比較して、増悪または死亡のリスクを61%減少させた。また、本併用療法は、OSについて、スニチニブと比較して、死亡のリスクを34%減少させた。加えて、本併用療法の確定ORRは71%であり、スニチニブは36%であった。本併用療法の完全奏効(Complete Response: CR)率は16%、部分奏効(Partial Response: PR)率は55%であり、スニチニブのCR率は4%、PR率は32%であった。なお、試験の本併用療法投与群で高頻度に確認された有害事象(全グレード、上位 5 つ)は、疲労、下痢、筋骨格系障害、甲状腺機能低下症、高血圧であった。

腎がんの罹患者数は2020年には、世界で43万人以上と推定され、約18万人が死亡したとされている。台湾では2018年に1,400人以上が新たに診断され、600人以上が死亡したと推定されている。腎細胞がんは、腎臓における最も発生頻度の高いがんで、腎がんの約9割を占めている。腎細胞がんは、多くの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見される。腎細胞がん患者の約30%は、診断時に転移が確認され、約40%の患者は局所性腎細胞がんに対する一次外科治療後に再発すると報告されている。生存率は診断時のステージによって大きく変わるが、転移性腎細胞がんの5年生存率は12%であり、予後の悪い疾患である。

当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた画期的な新薬創出を目指している。当社は、「レンビマ」によるがん治療の可能性を引き続き追求し、世界のがん患者とその家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献する方針である。
(Medister 2022年3月14日 中立元樹)

<参考資料>
エーザイ株式会社ニュースリリース 「レンビマ®」(レンバチニブ)、「キイトルーダ®」(ペムブロリズマブ)との併用療法について、進行性腎細胞がん一次療法として台湾において承認を取得

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