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更新日:2022/02/06

アジアに多い難治がん6がん種でアジア国際共同研究を実施

国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院は、アジアの子宮頸がん、卵巣明細胞がん、卵巣がん、上咽頭がん、子宮体がん、乳がん患者を対象に、血液を用いるリキッドバイオプシーで網羅的に遺伝子異常を調べ、治療の詳細や予後などの臨床情報と合わせたデータベースを構築・解析し、治療標的となりうる遺伝子異常の特定や治験の実施につなげるアジア多施設共同前向き研究「A-TRAIN(エー・トレイン)」を韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムのアジア7か国の施設と協力して実施する。

2020年の統計では全世界で新規のがんと診断される人数は約1,930万人で、がんによる死亡は約996万人と推計されている。それらの中で、アジアの占める割合は約半数にも上る。アジア諸国を含む途上国では、平均寿命の延長、喫煙者の割合が多いこと、がん検診制度が整備されていないことなどに加えて、子宮頸がんや咽頭がん、肝臓がんなどアジアで発生頻度が高いがん種が存在し、それらに対する研究開発が不十分であることなどが原因と考えられている。

近年、がんの遺伝子情報を基に治療方法を決めるがん遺伝子パネル検査が開発され、がんゲノム医療が推進されている。国立がん研究センターが開発を手掛けた「OncoGuideTM NCCオンコパネルシステム」が2018年12月25日に医療機器として承認されているが、腫瘍組織を検査に用いるため、腫瘍組織を十分に採取できない状況や、腫瘍組織の劣化によって遺伝子解析ができない場合、リアルタイムの患者の遺伝子情報を評価したいなどの目的として、血液を用いた遺伝子パネル検査の開発が求められている。

「ATLAS Project:Asian clinical TriaLs network for cAncerS project」は、アジア地域でがん治療開発を今後積極的に推進しようとしているマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムと共に、国際共同試験のプラットフォームを日本主導で構築し、がんゲノム医療の導入と薬事承認申請のための医師主導治験/企業治験の実施を通じたアジア地域におけるがんの早期薬剤開発の発展を目指している。また、アジア地域でのドラッグアクセスの改善とがんゲノム医療の本格的な導入を推進することでアジア全体での開発力を高め、アジア特有の課題をアジアで解決することを目指す。

日本にとってもアジア諸国と共同して治験を実施することにより、早期に試験を完了することができ、迅速な新規薬剤承認につながることが期待される。最終的にはアジア地域での確固たる臨床試験ネットワークを構築し、アジアが世界の治療開発をリードしていくことを目指す。 (Medister 2022年2月7日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース アジアに多い難治がん6がん種でアジア国際共同研究を実施 リキッドバイオプシーによる遺伝子解析・臨床情報データベースを構築し個別化治療の研究開発を目指す

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