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更新日:2021/05/24

画像診断支援にもAI 国立がん研究センターと富士フイルムが共同開発

2021年4月、富士フイルム株式会社(東京都港区、以下富士フィルム)と、国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区、以下国立がん研究センター)が、「AI開発支援プラットフォーム」を共同開発したと発表しました。

従来の画像診断支援AI技術開発では、AIに学習させるためのデータを作成するために複数のツールを活用し、学習モデルの設計をした上で学習を行っていました。また、領域を丸で囲むというような正解情報を画像に加工する「アノテーション」を行うためのツールも、一般的に普及しているものは医用画像に最適化されておらず、個別のツールを使いこなす必要がありました。こうした一連の開発プロセスを実行させるためには高度な専門知識と膨大な時間が必要でした。

今回開発された「AI開発支援プラットフォーム」は、画像診断支援AI技術の研究開発における学習データの作成、学習の実行・評価までの一連のプロセスが、高度な専門知識がなくても実行できる環境を提供するとしています。操作感も臨床現場で使われる画像診断環境に近く、画像閲覧やアノテーションを効率的、直観的に行なうことができるとしています。

「AI開発支援プラットフォーム」では4つの特徴を備えています。
1.プロジェクト管理機能
学習データ収集、アノテーション定義、アノテーション作業進捗、学習計画・履歴、AIエンジン性能等の管理・プロジェクト推進支援、各医療上システムとの接続やガイドラインに準じた医療情報の匿名化等。
2.アノテーション機能
臨床現場で使用される富士フイルムの読影システムや診断ワークステーションと同様の画面デザインや操作性、プロジェクトチームでの効率的なアノテーション支援を実現するため、複数同時並行での作業を想定したシステムとなっており、それらを管理するための機能も搭載。
3.学習管理機能
医用画像向けに開発した複数の学習モデルを搭載し、適宜そのモデルの調整可能。学習済みAIエンジンのバージョン管理、学習データと閲覧データの一括閲覧、学習進捗状況の可視化など直観的に管理できるUIを搭載。
4.AI実行およびAI技術により駆動するアノテーション支援機能
学習済みのAIエンジンを用いたテスト結果を即座に表示・試行することが可能で、AI処理結果の新たなアノテーション作成への活用が可能。

今回開発されたプラットフォームを利用することで、医師がアノテーション等に費やしていた膨大な時間の削減、研究機関や医療機関の取り組みが進み開発の加速が期待できるとしています。今後は、このプラットフォームの研究活用と有用性について国立がん研究センターの複数の研究テーマで検証を進める方針で、富士フイルムが製品化を目指すとしています。

<参考資料>
富士フイルム株式会社 国立研究開発法人国立がん研究センター 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) プレスリリース 富士フイルムと国立がん研究センターが「AI 開発支援プラットフォーム」を共同開発 研究機関や医療機関における画像診断支援 AI 技術の研究開発をサポート

執筆者 岡部美由紀(看護師ライター)


埼玉県内および東京都内の総合病院での中央手術室勤務、クリニック勤務等のほか、IT関連企業にて10年間の勤務経験あり。 2011年よりライターに転向し、保健医療福祉分野を中心に「正しいことを分かりやすく」をスタンスとして、Webサイトでの記事作成、取材、紙媒体での原稿作成等を行う。 正看護師のほかにも、医療経営士3級、健康食品管理士を取得。

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