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更新日:2021/05/20

小児がん患者を対象に初の体験調査報告

国立研究開発法人国立がん研究センターは、厚生労働省からの委託を受け、わが国のがん対策の評価、方向性の検討に活かすため、がん患者の診療体験、療養生活の実態を把握するための全国調査を行っており、今回初めて小児がん患者に対して実施した。

現在のわが国のがん対策は、2007年に施行されたがん対策基本法に基づく、がん対策推進基本計画にそって様々な施策が行われている。2012年に策定された第2期がん対策推進基本計画には、がん対策の進捗を評価する指標を策定し、3年を目途に中間評価を行うことが盛り込まれた。

この度、2017年度に策定された第3期がん対策推進基本計画の中間評価に向けて、小児がん患者の診療や療養環境の向上に役立てることができるよう、その実態を把握するための調査を行い報告書にまとめた。

調査の結果、治療に関する体験は、診断から治療まで1ヶ月未満だった人が80.6%、専門的な医療を受けられたと思う人は90.4%であり、治療を進める上で医療者と十分な対話ができたと思う人76.3%、主治医以外にも相談しやすい医療者がいた人は78.0%という結果であった。本結果から小児がん診療において、医師以外にも臨床心理士や社会福祉士など、心のケアや療養のサポートを行なう様々な職種がかかわる診療体制作りが関連している可能性がある。

就学に関しては、小学校、中学校に比較して、高等学校に就学していた患者は退学の割合が高く、情報提供、支援の利用ともに低い傾向となっていた。第3期がん対策基本計画では、がんになったその後を生きていく上で直面する課題を乗り越えていくためのサポート「サバイバーシップ支援」を取り組むべき課題の一つとしてあげており、教育機会の提供は、サバイバーシップ支援の点からも重要と考えられた。

患者家族の就労については、患者のケアのために仕事や働き方を変えた家族がいた人は65.5%で、休職・休業した人は35.7%、退職・廃業した人は32.8%という結果であった。経済的状況に関しては、医療費を確保するために生活へ何らかの影響があった人は41.7%となっており、医療費以外に経済的負担が大きいものとして何らかの事例をあげた人は85.8%で、具体例として最多のものは交通費60.7%、付き添い家族の生活費・宿泊費57.8%であった。家族の悩みや負担を相談できる支援・サービス・場所が十分にあると思う人は39.7%に留まることから、がん患者家族への支援についても課題が残されていることが明らかになった。

今回は、小児がん患者を対象とした初めての大規模調査のため、成人調査との比較を行っているが、あくまで参考値でありその解釈は慎重に行う必要がある。今後も調査を行うことで、経年的にエビデンスを蓄積し、継続した評価体制を維持することが、がん医療発展にとって重要になると考えられた。
(Medister 2021年5月10日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース 小児がん患者を対象に初の体験調査報告 診療体験・療養生活の実態を明らかに

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