更新日:2021/04/04
国立がん研究センター中央病院で希少がんの オンライン・セカンドオピニオン開始
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院は、情報が少なく診療が難しい希少がんの患者を中心にオンラインによるセカンドオピニオンの提供を開始する。
希少がんは、人口10万人あたり6例未満のまれながんであるが、その疾患数は200種類にも及び、毎年新たにがんを発症する95万人以上の15~22%を占めている。疾患ごとの数が少ないため診療や受療上の課題が他のがんに比べて多く、セカンドオピニオンは、希少がんの患者にとって専門医から情報が得られる重要な機会である。
国立がん研究センターは、2014年6月に希少がんセンターを開設し、様々な希少がんの情報提供や新たな治療開発に積極的に取り組むとともに、多くの希少がん患者にセカンドオピニオンを提供してきた。
しかし、新型コロナウイルス感染症が終息していない現在、患者がセカンドオピニオンを希望しても、遠方への移動が難しい状況が続いている。この状況を受けて、国立がん研究センター中央病院は、多くの希少がん診療の経験を有する専門医によるオンライン・セカンドオピニオンの提供を開始する。
また、このオンライン・セカンドオピニオンは、リーズンホワイ株式会社と共同で開発した「Findmeオンライン診療」システムを活用して行う。
相談可能な疾患としては、原則として、希少がんなど医療者も患者も困ることが多い疾患を対象とする。具体的には、神経内分泌腫瘍 あるいは神経内分泌がん、中皮腫、胚細胞腫瘍、パラガングリオーマ、肉腫(悪性骨・軟部腫瘍)、デスモイド腫瘍などといった多臓器に発生する希少がんである。他にも、悪性脳腫瘍(グリオーマなど) 、腺腫・胸腺がん、胸部のSMARCA4 欠損腫瘍、乳癌などといった一つの臓器に発生する希少がんや、小児悪性腫瘍、治療法が確立されていない(または存在しない)固形がんなども扱う。希少がんかどうか不明な場合は、事前に希少がんセンター (03-3543-5601)まで問い合わせれば、担当員が対応するという。
(Medister 2021年4月5日 中立元樹)
<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース 国立がん研究センター中央病院で希少がんの オンライン・セカンドオピニオン開始