更新日:2019/06/03
元気になるシカ! アラフォーひとり暮らし、告知されました
著者が卵巣がんと診断をされたのは36歳の時。告知直後はピンとこなかったものの、時間とともにその重大さを認識していくようになります。
同著は、アメログランキングで2つのジャンルで1位を獲得したブログを書籍化したコミックエッセイ。漫画家でひとり暮らしの著者が結婚や子どもや仕事のことなどアラフォーならではの悩みに直面しながらも前向きに病に向き合った闘病の様子が綴られています。
泣きながらもポジティブに病と闘った210日間。闘病生活の中で気づいたことを書き留めたコラムは治療を受けるときには参考になるものばかりです。彼女の姿勢に元気をもらえる一冊です。
異変はある日突然に
著者の藤河さんがからだの異変を感じたのは台湾旅行へと出発するはずだった当日、空港でのことでした。
漫画家という不規則な生活の中で、完璧とも思える計画で出発したはずだったのが一転、お腹の痛みで病院へと救急搬送されることに。楽しみにしていた旅行は急遽中止となり、一変していい知れない不安に包まれてしまいます。
後日、大きな病院を受診すると、卵巣がんの疑いがあるといわれ精密検査を受けることになった藤河さん。がんかも知れない。いや、違う。でも子宮内膜症だったからリスクはあるし……。診断結果が出るまでの彼女のさまざまな心の葛藤がユーモラスに描かれています。
がんと診断された後も、主治医から受けた説明内容を忠実に再現。治療法は最終的には自分で決めなければならないと言われた藤河さんでしたが、医師から「わからないことは?」と聞かれてもわからないことがわからない、と戸惑う場面も。
病気のことや自分のからだのことを知りたいと思ってネットで情報を検索すると、「五年生存率」「死亡率」「再発」など怖い情報ばかりが目に留まります。それでもネットを見るのが止まりません。そんな時に知ったのが「セカンドオピニオン」でした。一度は受けたいと思ったものの、最終的には受けずに主治医に治療を託すことに。術中診断の結果、藤河さんに告げられたステージは「1C期」でした。
入院することになり藤河さんは仕事先にも病気を報告し、ブログで病気を公表することを決めたのです。とまどいながらも前向きに治療を行う彼女の姿勢は多くの女性たちの共感を呼び、人気ブログとなりました。
アラフォー独身女性の心は複雑
藤河さんがブログをはじめたきっかけは、ご自身が治療中に読んだ闘病記。闘病記が励みになったという経験や周りの応援もあって、自身の闘病を描くことになったのだといいます。
入院や手術、抗がん剤治療など、著者にとっては人生ではじめて経験することばかり。その時その時の心の動きが(何故か)シカと化した主人公の台詞とイラストで描かれています。
手術直前まで、治療法の選択に迷う著者の藤河さんの乙女心には共感する方も多いはず。開腹するまで悪性(全摘手術)なのか境界悪性(卵巣のみ摘出)なのかわからないため、手術前日の夜はもんもんとした時間を過ごすなど、アラフォー女性ならではの悩みもさらけ出されています。
著者の体験を基にまとめられたコラムには参考になる内容が書かれているので必読です。抗がん剤治療によって起こる脱毛への対策ではウィッグの種類やつけ方、お手入れの仕方などについて解説されるほか、脱毛メイクとして眉毛の描き方など美容に関する内容にも触れられています。
同著は、抗がん剤治療中の副作用対策をはじめ、闘病中の食生活や国民健康保険などお金に関わることまで、がん患者の生活全般に関するお役立ちコミックと言える一冊です。
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