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更新日:2021/01/20

リキッドバイオプシーによる大腸がんの治癒率向上・個別化医療実現を目指した国際共同第III相医師主導治験を開始

国立研究開発法人国立がん研究センター(略称:国がん)東病院(以下東病院)と一般社団法人CirKit-J(略称:C-J、以下CirKit-J)は、見えないがん(術後微小残存病変)が判明した大腸がん患者を対象とした、日本主導による世界初の国際共同第III相医師主導治験(ALTAIR試験)を開始した。

Cirkit-Jは、日本・アジアからの臨床開発を恒常的に強化・維持するために、開発リスクの高い臨床開発を低コストで行う仕組みの構築を目的として設立された社団法人である。臨床研究に投資の枠組みを構築し、投資で得た収益を更なる研究に再投資する循環をさせることを目標としている。また、臨床研究で得たデータを共通化してデータベースとして蓄積し後の研究に活かすことも計画している。

近年、最先端のリキッドバイオプシー解析により、術後微小残存病変の検出が可能となり、より強度の高い薬物療法を術後早期に加えることで治癒率が向上することが期待されている。しかしながら現在、血中循環腫瘍DNA陽性の治癒切除後の大腸がん患者に対して、再発を防ぐ有効な治療は確立されていない。本試験では、標準治療である経過観察(プラセボ)と比較し、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩(FTD/TPI、製品名ロンサーフ®)による先制治療を行うことの有用性を検証する。

本試験は、外科治療が行われる大腸がん患者に対し、リキッドバイオプシーによるがん個別化医療の実現を目指すプロジェクト「CIRCULATE-Japan(サーキュレートジャパン)」の傘下で行われる3つ目の臨床試験である。消化器がんの医師主導治験では過去に類を見ない、国内外37施設(うち海外1施設)で大規模に実施する。

また、製薬企業からの資金に加え、民間企業からの投資資金を活用する新たな医師主導治験の枠組みを構築した。従来、治験費用は製薬企業のみが負担することが通例であったが、製薬企業以外の民間企業からの出資を募ることで、大規模な国際共同医師主導治験の実施が可能となった。今後も、同様の枠組みを活用して、世界初となる画期的な治療法を日本から継続的に発信していくことが期待される。さらに本試験から得られたがんゲノム情報および臨床情報のビッグデータを活用し、がんの遺伝子異常に基づいた個別化医療の実現と患者さん一人ひとりに応じた最適な医療の提供を目指していく方針である。
(Medister 2021年1月18日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース リキッドバイオプシーによる大腸がんの治癒率向上・個別化医療実現を目指した国際共同第III相医師主導治験を開始 民間企業からの投資を活用した新たな大規模医師主導治験の枠組みを構築

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