更新日:2018/06/11
エーザイとMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A. レンバチニブの切除不能な肝細胞がんに係る承認申請の米国FDAによる審査終了目標日延長について
エーザイ株式会社(以下 エーザイ)とMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.(北米以外ではMSD)は、米国におけるキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(一般名: レンバチニブメシル酸塩)の「切除不能な肝細胞がん」に係る適応追加申請について、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)によるPDUFA(Prescription Drug User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)が延長されることが決定した。
「レンビマ」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な、エーザイ創製の新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤である。
現在、本剤は、甲状腺がんに係る適応で米国、日本、欧州など50カ国以上で承認を取得している。また、米国、欧州など40カ国以上で、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法に係る承認も取得している。欧州での腎細胞がんに係る適応については「Kisplyx®」の製品名で発売しているという。また、切除不能な肝細胞がんに係る適応について、2018年3月に日本で承認を取得し、米国・欧州 (2017年7月)、中国(同年10月)、および台湾(同年12月)などにおいて承認申請中である。
2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.はレンビマのグローバルな共同開発および共同販促をおこなう戦略的提携に合意した。本合意に基づき、レンビマについて、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体との併用療法における共同開発、共同販促を行う。併用療法については、既に実施している臨床試験に加え、6種のがんにおける11の適応取得を目的とした臨床試験、6種のがんに対するバスケット型臨床試験を共同して同時並行で実施すべく、準備を進めている。現時点で、承認された「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の適応はないという。
FDAより、本申請の審査に追加の時間が必要であり、本アクションデートを延長する旨の連絡があった。FDAによると、審査は従来のPDUFAアクション・デート(2018年5月24日)の3カ月後となる2018年8月24日までに完了する予定だという。エーザイは申請者として、引き続きFDAの審査に協力する方針であることを表明している。
(Medister 2018年6月11日 中立元樹)
<参考資料>
エーザイ株式会社ニュースリリース エーザイとMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A. レンバチニブの切除不能な肝細胞がんに係る承認申請の米国FDAによる審査終了目標日延長について