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更新日:2017/11/06

ネオアンチゲンワクチンによる完全個別化がん免疫療法に関する共同研究契約を締結

国立研究開発法人国立がん研究センター(以下、国立がん研究センター)とブライトパス・バイオ株式会社(以下、ブライトパス)は、ネオアンチゲンワクチンによる完全個別化がん免疫療法の共同研究契約を締結した。

がん免疫療法は、従来の標準治療の適用が困難な難治性・進行性のがんに対する治療法として、近年、がん治療に大きな進展をもたらしている。そのがん免疫療法の分野においても、遺伝子解析技術の飛躍的進歩を背景に、個々の患者の免疫応答、がん細胞、がん組織の環境などの特性を解析した上で、個々の患者に最適ながん免疫療法を提供するPersonalized Medicine(個別化医療)の試みが始まっている。

がん細胞は、遺伝子突然変異によって正常な増殖制御を失うことで増殖し、ゲノムの不安定性に基づく遺伝子変異をその過程で蓄積するが、次世代シーケンサーの登場により、個々の患者のがん細胞で生じている遺伝子変異を正確に解析できるようになった。これらの遺伝子変異は正常な遺伝子配列と異なるために、免疫系に「非自己」として認識され、免疫応答の標的として免疫反応を強く誘導する抗原(がんの目印)=ネオアンチゲン、すなわち、がん治療ワクチンの候補となる。一方で、がん遺伝子変異は個々の患者で異なり共通するものはごくわずかであるために、患者ごとの個別対応が必要なことも分かってきている。

ブライトパスは、従来の標準治療の適用が困難な難治性・進行性のがんに対する治療法としてがん治療の革新をもたらしつつある「がん免疫療法」の開発を行う創薬バイオベンチャー企業である。国内と米国で臨床試験を実施中のがんペプチドワクチンをパイプラインとして有するほか、iPS 細胞技術をがん免疫療法に応用する細胞医薬の開発、免疫制御分子に対する抗体、がん細胞特異的な遺伝子変異に由来するネオアンチゲンを標的とした新薬の開発を行っている。

この度の共同研究は、患者のがん細胞に生じた遺伝子変異の中から、その患者の免疫反応を強く誘導するネオアンチゲンを迅速に見出す手法を開発するものであり、個々の患者ごとに異なるネオアンチゲンを標的とした完全個別のがんワクチンの創製を目指しているという。

共同研究は、がんペプチドワクチンを中心としたがん免疫療法の研究を推進する国立がん研究センター先端医療開発センターを中心に進められる。さらに、国内及び米国で2つのがんペプチドワクチンの臨床試験(国内:テーラーメイド投与法を採用した後期臨床試験、米国:免疫チェックポイント阻害剤との併用早期臨床試験)を進めるブライトパスが共同で研究を進めることで、次世代がん治療法となる完全個別化がん免疫療法の臨床応用を目指す方針である。
(Medister 2017年11月6日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター ネオアンチゲンワクチンによる完全個別化がん免疫療法に関する共同研究契約を締結

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