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更新日:2020/12/26

16歳以上の胞巣状軟部肉腫患者対象の医師主導治験実施

国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院は、胞巣状軟部肉腫(ほうそうじょうなんぶにくしゅ)を対象とした免疫チェックポイント阻害薬を用いた医師主導治験(試験略称:ALBERT)を、当院のほか東北大学病院、国立病院機構大阪医療センター、九州大学病院の全国4施設で実施する。

胞巣状軟部肉腫は、AYA世代と呼ばれる若年患者での発症が多いため、本試験においては16歳以上のAYA世代も対象に計画した。今回用いる免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブは、アメリカでの臨床試験において有効性が報告されている。本試験では、日本人での有効性を検証し、良好な結果が得られた場合は肉腫では初となる免疫チェックポイント阻害薬の国内での薬事承認を目指す。

胞巣状軟部肉腫は、AYA世代で多くが太ももなど下肢に発症する。有効性が高い薬物療法はなく、唯一の治療法は手術による完全切除であるが、診断時点で約半数は手術が行えず、予後の極めて厳しいがんである。また、年間罹患数10例(2013年)と超希少であることや、治験は成人の患者のみを対象とし、小児やAYA世代は対象外となることが一般的なため、企業による治療開発が進み難い現状である。

希少がんの新規治療開発は、患者の数が極めて少ないことや、対象となる疾患の患者の情報を集約する仕組みが十分に構築されていないことから、患者登録に長い年月を要し、ランダム化比較試験を実施することが困難であり、企業による開発が積極的に行われていない。

国立がん研究センター中央病院では、希少がんでの治療開発を推進するため、2014年には「希少がんセンター」を開設し、2017年からは企業とも共同で希少がんの研究開発・ゲノム医療を推進する「MASTER KEY(マスター キー) プロジェクト」を立ち上げている。これまでに1300例以上の患者がレジストリ部分に登録しており、臨床試験部分では13件の治験を実施している(2020年10月現在)。

本試験を、希少がんの中でも極めて少ない超希少ながん腫で成功させることにより、超希少がんの臨床試験計画や新薬開発手法の新たなモデル構築となり、希少がんの治療開発を世界的に加速化させることを目指していく方針である。
(Medister 2020年12月21日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース 16歳以上の胞巣状軟部肉腫患者対象の医師主導治験実施 肉腫で初の免疫チェックポイント阻害薬薬事承認と 希少がんやAYA世代での新規治療開発の加速を目指す

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