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更新日:2021/06/04

知っておきたい「がん講座」 リスクを減らす行動学

『知っておきたい「がん講座」 リスクを減らす行動学』書評

著者名:中川恵一(東大医学部付属病院 放射線科 放射線治療部門長)
出版社:日本経済新聞出版
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この本の著者は、東京大学医学部附属病院放射線治療部門長の中川恵一医師。これまで35年にわたってがん医療に携わってこられた専門家です。一昨年には自らのがんが発覚。早期発見の重要性を唱えてきたにもかかわらず、発見時1.4センチと決して早期ではなかったことを悔やみながら、その背景が本著の中で語られています。

同著は、がんになる前に知っておきたいさまざまなことについて各章ごとにまとめられています。そして、サブタイトルにあるように、がんのリスクを減らす行動についての解説もされています。誰ががんになってもおかしくない時代。「私は大丈夫」。そう思っている人に読んでほしい一冊です。

がんになる前のがんの知識が大切

自分はがんにはならない。そう思っている人は少なくないようです。著者である中川医師でさえ、膀胱がんと診断を受けた際、「まさか自分が」と思ったそうです。

自分には関係ないと思っている人が多いこと、国内での喫煙率の高さや検診受診率の低さなど日本人の健康や医療に関するリテラシーは低いと中川医師は指摘します。国際的な調査においても「医師から言われたことを理解するのは難しい」と答えた日本人は44%と、欧州での平均15%、オランダでの9%と比べると低いのが現状なのだとか。

このような背景について、中川医師は学校での保健教育にあるのではないかと言及します。現在、文部科学省「がん教育」の在り方に関する検討会委員でもある中川医師は、2008年から全国100か所以上の学校で、がんへの理解を深めるための「がん教育」を行っています。

リスクを減らす(ための)生活習慣

いまやがんも生活習慣病のひとつといわれるほど、生活習慣との関連が指摘されるようになりました。健康志向の高まりを背景に、食事に気をつけているという人も多いと思います。野菜や果物に関しては、心筋梗塞や脳卒中、がんのリスクを減らすほか、糖尿病のリスクも低下させるという研究もあるそうです。糖尿病はがんのリスクを2割ほど高めるとされているため、果物を摂ることでがんのリスクを減少させることになると中川医師ははなします。また、健康のためにフルーツジュースを飲んでいる人もいると思いますが、研究ではフルーツジュースを飲む人ほど糖尿病のリスクが高くなっているとのこと。その要因について中川医師は、果物をジュースに加工する際に不溶性の食物繊維が除外されてしまうためではないかと推測しています。

また、あらゆるがんとの関与が指摘されているのがたばこです。喫煙はがんとなる原因のトップであり、がんの死亡率はたばこを吸う人は吸わない人と比べて男性で2倍、女性で1.6倍にも及ぶのだといいます。中川医師によると、たばこに含まれている発がん物質は70種類ほどあり、それらが体内で突然変異を起こすことでがん化するとのこと。また、たばこは肺がんだけでなく、全ての臓器のがんの発生を増やすほか、脳卒中や心臓病の原因となることも知られています。

他方、興味深いものとして取り上げられていたのが珈琲についてです。珈琲を毎日飲む人では肝臓がんのリスクを半減するほか、心臓病や脳卒中の予防にも有効であるとのこと。中川医師も一日5杯は飲んでいるそうです。

からだに良いと思ってやっていることが実は良くないということも。正しい知識を持ち、日々の生活習慣を見直すことで、がんのリスクを減らすことにつながるのです。

がんで命を落とさないために

生活習慣の改善とがん検診を受けること。これががんで命を落とさないために必要なことだと中川医師は指摘します。とはいっても日本におけるがん検診の受診率は欧米などと比べて低いのが現状です。なかには「異変を感じたら病院に行く」といった誤った認識を持っている人もいるようです。

がんは全体の3分の2が治る病気となりました。早期発見なら95%が治ると中川医師はいいます。にもかかわらず、がんと告知された人の中には1年以内に自らの命を絶つ人がいたり、仕事を持つ人の3人にひとりが治療の開始前に離職したりする人がいるのだそうです。

がんと告知されると動揺するのはあたりまえ。万が一の時にあわてなくてもいいように、がんに関する知識を深めておいてはいかがですか。

執筆者 美奈川由紀 看護師・メディカルライター

国立療養所南福岡病院(現・国立病院機構福岡病院)附属看護学校卒業。看護師
看護師の経験を活かし、医療記事を中心に執筆
西日本新聞、週刊朝日、がんナビ、時事メディカルなどに記事を執筆
著書に「マンモグラフィってなに?乳がんが気になるあなたへ」(日本評論社)がある

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