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更新日:2020/12/30

先生!本当に正しいがんの知識を教えてください!

『先生!本当に正しいがんの知識を教えてください!』書評

著者名:明星 智洋、松本 逸作
出版社:すばる舎
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巷ではあらゆる医療情報が飛び交っています。そんな中から必要な情報を得るのは至難の業です。何が本当に正しいのか?そんな疑問から生まれたのが同著。医療には全く素人のライターである松本さんがさまざまな疑問をがん薬物療法専門医である明星先生へ投げかけるQ&A形式で展開されていきます。

本著は6章から構成されており、がんの基本的な疑問から検診の受け方や最新の研究結果に至るまで、さまざまな視点に焦点があてられています。がんについて知りたい方にお勧めです。

がんって何?

がんっていったい何?同著はこんな基本的な疑問からはじまります。質問者はライターの松本さん。明星先生はがんについて「簡単に言うと細胞の暴走」と答えますが、どうして暴走するのか?松本さんの質問はさらに続きます。そもそも私たちのからだの中にはがん遺伝子というものがあり、がんはその遺伝子よって作られる細胞なのだとか。この遺伝子に異常が起きたときにがん細胞の暴走が起きると明星先生は解説しています。

また、がん遺伝子とともに、からだの中にはがんを抑える抑制遺伝子というものがあり、絶妙なバランスで均衡が保たれているのだそうです。しかし、がん遺伝子が活性化し、がん抑制遺伝子が抑えられなくなるとがん細胞ができあがってくるのです。それでもすぐにがんが発症するわけではありません。通常は免疫細胞によってがん細胞の発症が抑えられているそうですが、免疫を突破してくると各臓器にがんが発症してくるのです。

がんの発症するメカニズムのほかにも、がんの表記についての疑問も取り上げられています。「癌」と漢字で表されたり「がん」とひらがな表記だったり。また、「肉腫」と呼ばれることもあります。血液のがんを「血液がん」と言わない背景など、明星先生の解説が展開されます。

がんの予防について

がんに関する情報が飛び交う中、何が正しいのか判断に迷うことは少なくないと思います。同著では、がんにまつわるさまざまな情報に関する素朴な疑問が取り上げられています。その中のひとつががんの予防についてです。がんは予防できるものとできないものがあること。また、予防といっても発症を抑えるものと早期発見という二種類があることなどについて解説されています。

予防の中で、発症を抑えるものとしてあげられているのがタバコです。がんはいまや生活習慣病のひとつと考えられているため、まずは生活習慣を改善することががん予防のポイントだと明星先生は述べています。その筆頭にあげられているのが禁煙なのです。禁煙により予防できる代表的ながんとしては肺がん、食道がん、喉頭がんなどがあります。その他にも、肥満により13種類のがんリスクが高まることが研究結果から判明していることや感染によって起こるがんについてのQ&Aが続きます。

医師と病院選びについて

がんになった時に誰もが迷うことは、どの先生に診てもらえばいいのか、どこの病院に行けばいいのか?ということではないでしょうか。明星先生はそのポイントを四つあげています。

まず一つ目は、手術で治癒を目指すのであれば症例数の多い病院で、というもの。がんの進行がまだ浅い場合には、治癒が目指せる可能性があるため、手術が得意な病院を探すのがよいとのこと。その指標のひとつが手術の症例数なのだといいます。症例数については「病院情報局」のホームページで検索することが可能だとのこと。まずは自分で調べてみることが大切です。

次に、化学療法や放射線治療がメインの治療となる場合には自宅から近い病院を、というのが明星先生のアドバイス。治療内容によっては毎日のように通院しなければならない場合もあります。ただでさえ、がん治療では体力を消耗するため、通院で体力を使うのは避けた方がいいということです。

そして三つ目は生活習慣病や心血管疾患などの合併症がある場合は総合病院での治療を、というもの。手術をするにしても、化学療法を受けるにしても、合併症の有無は非常に重要な要素になるため、それぞれの専門領域の先生が同じ医療機関内にいることが望ましい、と明星先生は述べています。

最後、四つ目のポイントは、外科医をはじめ腫瘍内科医や放射線治療医などが連携をとっている病院がお勧めということでした。

そして、同著の中では医師とのコミュニケーションの重要性が指摘されています。治療にはある程度の時間が必要となるため、信頼関係が構築できる医師を選ぶことが何より重要であると明星先生は指摘しています。がんと診断されて、これから医師や病院、治療法を選択するという方には参考になる一冊です。

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