がん用語集
な行監修:医療法人社団輪生会 白山通りクリニック
- 内視鏡検査 (ナイシキョウケンサ)
柔軟な観察用のチューブ(内視鏡)を使って消化管の内部を観察する検査で、口や鼻からの上部消化管内視鏡(胃カメラ)と、肛門からの下部消化管内視鏡(大腸ファイバー)とに分けられます。口・鼻からの内視鏡検査では、食道、胃、小腸の一部が、肛門からは直腸、大腸全般、小腸の末端が観察できます。ビデオカメラで撮影した映像は、同時にモニターに映し出され、医師はその映像を見て病気のある部分を観察します。また、内視鏡の管はハス(蓮)のようにいくつかの孔があいていて、そこにさまざまな器具を通し、組織をとって顕微鏡で調べたり、異常のある粘膜(ポリープなど)を焼くなどの処置をしたりすることもできます。
- 内視鏡治療 (ナイシキョウチリョウ)
内視鏡治療では、内視鏡によって映し出された体内の病変部を、モニター画面上で観察しながら治療を行います。疾患により挿入した内視鏡の先端から、様々な器具を出し入れしながら、治療を行います。胃や大腸のポリープや微小がんの切除、出血性胃潰瘍など出血性病変の止血、肝硬変患者の食道や胃静脈瘤の治療などが代表的です。上手く行えれば侵襲が少なく済みますが、稀に合併症(消化管穿孔や出血など)もあり、二次的に外科手術などが必要になる場合もあります。
- 内分泌治療(ホルモン療法) (ナイブンピツチリョウ)
がんの増殖にホルモンが関わるがん(乳がん、子宮内膜がん、前立腺がんなど)のホルモンを分泌している部分を手術でとり除いたり、反対の作用のホルモンを投与したりして、がん細胞の増殖を抑える治療をいいます。ホルモンを投与する治療はホルモン療法といい、がんの成長に関係しているホルモンが作られるのを抑える効果や、ホルモンががんに作用するのを阻害する効果をもつホルモン剤を使っておこなう治療法です。一般に化学療法剤と比べ副作用が少なく、長期に使うことができます。主な副作用は、ほてり、肥満などです。がんの種類やそのがん細胞の性質によって適応や治療法は異なりますが、化学療法や放射線療法などと組み合わせて使われることもあります。
- NK細胞(Natural Killer Cell:ナチュラルキラー細胞) (ナチュラルキラーサイボウ)
名前の通り生まれついての殺し屋細胞。殺傷力がとても高く、常に体内をパトロールしています。NK細胞は、休止状態である一般のリンパ球(T細胞やB細胞)と違い、ガン細胞やウィルス感染細胞を見つけては攻撃の指令なしに単独で直接殺すことが出来ます。NK細胞には、IL-2によって活性化するスイッチが付いているためIL-2がある状態で活性化することが出来ます。詳しいメカニズムは、未だ明らかにはされていません。
- 肉腫 (ニクシュ)
肉腫とは、筋肉、骨、神経などの細胞から発生する悪性の腫瘍のことをいいます。がんを作っている組織細胞の違いによって、がんを分類することができます。通常、脂肪肉腫とか横紋筋肉種のように、肉腫が発生した組織の名前で呼ばれます。
- 二次性発がん (ニジセイハツガン)
二次性発がんとは、抗がん剤や放射線による正常細胞の障害のために、治療を後数年から数十年後にもとの病気とは別の種類のがんや白血病を生じることをいいます。
- ヌクレオチド (ヌクレオチド)
ヌクレオチドとは、DNAやRNAの鎖を構成する一つ一つの単位のことをいいます。
- 年齢階級別死亡率 (ネンレイカイキュウベツシボウリツ)
年齢階級別死亡率とは、年齢階級別に算出した死亡率をいいます。がんは年齢層によって死亡率が大きく異なり、多くの部位のがんは高齢ほど死亡率が高くなりますが、部位によっては若年層で死亡率が高くなるがんもあります。年齢調整死亡率は年齢構成の違いを除去した死亡率ですが、集団全体の死亡率のため、異なる年齢層間の死亡率の違いはわかりません。そこで、年齢層ごとの死亡率を見るために年齢階級別亡率が用いられます。
- 年齢階級別罹患率 (ネンレイカイキュウベツリカンリツ)
年齢階級別罹患率とは、年齢階級別に算出した罹患率をいいます。通例、5歳階級ごとに(85歳以上はまとめる)算出され、例えば「40~44歳人口10万人のうち何人罹患したか」で表現されます。がんは年齢層によって罹患率が大きく異なり、多くの部位のがんは高齢ほど罹患率が高くなりますが、部位によっては若年層で罹患率が高くなるがんもあります。年齢調整罹患率は年齢構成の違いを除去した罹患率ですが、集団全体の罹患率のため、異なる年齢層間の罹患率の違いはわかりません。そこで、年齢層ごとの罹患率を見るために年齢階級別亡率が用いられます。
- 年齢調整死亡率 (ネンレイチョウセイシボウリツ)
年齢調整死亡率とは、人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう死亡率のことをいいます。がんは高齢になるほど死亡率が高くなるため、高齢者が多い集団は高齢者が少ない集団よりがんの粗死亡率が高くなります。そのため仮に2つの集団の粗死亡率に差があっても、その差が真の死亡率の差なのか、単に年齢構成の違いによる差なのか区別がつきません。そこで、年齢構成が異なる集団の間で死亡率を比較する場合や、同じ集団で死亡率の年次推移を見る場合にこの年齢調整死亡率が用いられます。
- 年齢調整罹患率 (ネンレイチョウセイリカンリツ)
年齢調整罹患率とは、人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう罹患率のことをいいます。がんは高齢になるほど罹患率が高くなりますので、高齢者が多い集団は高齢者が少ない集団よりがんの粗罹患率が高くなります。そのため、仮に2つの集団の粗罹患率に差があっても、その差が真の罹患率の差なのか、単に年齢構成の違いによる差なのかの区別がつきません。そこで、年齢構成が異なる集団の間で罹患率を比較する場合や、同じ集団で罹患率の年次推移を見る場合に年齢調整罹患率が用いられます。
- 脳血液関門 (ノウケツエキカンモン)
脳血液関門とは、脳細胞に危険な物質が入らないようにするため、脳の血管と脳細胞との間にある、血液中の特定の物質だけが脳細胞に入れるようにする仕組みをいいます。血液と脳の組織液との間の物質交換を制限する機構です。
- 脳脊髄液(髄液) (ノウセキズイエキ)
脳と脊髄、そしてこれらを包んでいる膜の間(髄腔といいます)を流れる無色透明な液体のことをいいます。脳室(脳のなかの空洞)でつくられ、髄腔内を循環し、脳の表面にあるクモ膜顆粒で吸収されて静脈に戻ります。役割は明らかではありませんが、ショックアブゾーバーの働きや、脳の水分含有量を調節し形を保つ役割などをしていると考えられています。