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更新日:2020/10/12

アジアの課題をアジア全体で解決し、世界の早期治療開発のリードを目指す 日本主導アジア国際共同試験ネットワーク構築プロジェクト「ATLAS Project」始動

国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院は、アジア地域における臨床研究・治験実施体制整備を目的とした「アジアがん臨床試験ネットワーク構築に関する事業(Asian clinical TriaLs network for cAncerS project:ATLAS project:アトラス プロジェクト」を開始した。

国立がん研究センター中央病院は、2016年度よりAMED国際共同臨床研究推進事業の拠点に選定され、国際共同研究支援機能の充実を図ってきた。具体的には、アジア先進5地域(日本、韓国、台湾、香港、シンガポール)における早期新薬開発拠点ネットワーク(ASIA ONE)の構築、アジア4地域(日本、韓国、台湾、シンガポール)で薬事申請を目指した完全GCP対応の国際共同の医師主導治験(PATHWAY試験)の実施、アカデミア主導国際共同試験の実施(19試験)などに取り組んできた。最近ではこうした取り組みに加え、今後、人口増加、経済発展、高齢化が見込まれ、がん治療開発のニーズが飛躍的に増えるASEAN諸国との連携の可能性も模索し、ASEAN諸国全般で施設訪問調査、国際共同試験推進シンポジウム開催、PMDAアジア医薬品・医療機器薬事トレーニングセンターとの連携を通じたASEAN諸国の規制当局での教育活動を行ってきた。

ATLAS projectは、アジア地域でがん治療開発を今後積極的に推進しようとしているマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムと共に、国際共同試験のプラットフォームを日本主導で構築し、がんゲノム医療の導入と薬事承認申請のための医師主導治験/企業治験の実施を通じたアジア地域におけるがんの早期薬剤開発の発展を目指していく方針である。

本プロジェクトにより、使用可能な抗がん薬の種類が限られるアジア地域でのドラッグアクセスの改善が見込まれ、さらにがんゲノム医療の本格的な導入を推進することでアジア全体での開発力を高め、アジア特有の課題をアジアで解決することを目指す。

特に希少がんの領域では、日本を含めて世界的に企業治験が実施される機会が少なく、治療の選択肢が極めて限られているが、本プロジェクトで医師主導治験を積極的に実施することで、アンメットニーズをアジア全体で解決することができるであろう。さらに、日本にとってもアジア諸国と共同して治験を実施することにより、早期に試験を完了することができ、迅速な新規薬剤承認につながることが期待される。最終的にはアジア地域での確固たる臨床試験ネットワークを構築し、アジアが世界の治療開発をリードしていくことを目指す。

本プロジェクトは、日本医療研究開発機構(AMED)令和2年度臨床研究・治験推進研究事業「アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの構築事業」として採択され、AMEDの支援のもとに「アジアがん臨床試験ネットワーク構築に関する事業」として取り組む予定である。
(Medister 2020年10月12日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース アジアの課題をアジア全体で解決し、世界の早期治療開発のリードを目指す 日本主導アジア国際共同試験ネットワーク構築プロジェクト「ATLAS Project」始動

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