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新薬販売がさらに早まるか 国内での抗がん剤承認に2つの新しい動き
更新日:2020/12/22
新薬販売がさらに早まるか 国内での抗がん剤承認に2つの新しい動き
厚生労働省の先進医療会議は2013年11月14日、医療上の必要性の高い抗がん剤の外部評価の運用案を了承した。安倍内閣の日本再興戦略の目玉の一つともいえる「先進医療ハイウエイ構想」が、早くも実現することになる。これまでも日本国内での薬事承認がない抗がん剤などを使用する場合、保険診療との併用が認められるまでおよそ半年程度必要とされたが、これが半分の3ヵ月程度に短縮できる見込みだ。 今回運用が開始されることとなったのは抗がん剤の分野で、日本国内での使用承認に向けた審査のスキームを、これまでの厚生労働省だけで行うのではなく、外部機関でも行えるようにするものだ。今回対象となるのは、現在卵巣がんなどで使用可能な「ドキソルビシン塩酸リボソーム注射溶剤」の適応拡大と、日本では未承認薬である「3-ヨードベンジルグアニジン(131I)」の神経芽腫・褐色細胞腫などへの適応について、国立がん研究センターが外部機関となり審査を行うこととなった。 さらにもう1つ別の動きとして、PMDAが「抗がん剤の非臨床薬理試験の実施免除に関する見解」をまとめる見通しとなった。日本国内での承認を受けている抗がん剤の適応拡大の場合に限り、すでに公表されている論文があることなどの条件を満たしていれば、非臨床薬理試験が免除されるというものだ。 通常、何らかの薬剤が日本国内で販売されるまでには、まず「薬」となる物質についての研究の後、人に対する効果と安全性を確立するための治験(臨床試験)が行わる前に、試験管内から実験動物を対象とした試験が行われる。これが非臨床薬理試験といわれるものだ。これが省略できるとなると、すでに海外で使用されている抗がん剤であれば、これまでよりも数年早く日本での使用が可能となる。 もし今後、非臨床薬理試験の段階が省略され、さらに外部評価が一般的になってくると、これまでよりもかなり早いスピードで新薬が市場に出ることとなるだろう。少なくても抗がん剤については、すでにその一歩を踏み出しているようだ。 (Medister 2013年11月19日 葛西みゆき)
がん化学療法の薬-抗がん剤・ホルモン剤・分子標的薬-はや調べノート (プロフェッショナルがんナーシング2013年別冊)
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