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更新日:2020/12/22

日本人男性はもっと野菜を食べるべき 国立がん研究センター研究成果より

resize.php2014年12月18日、国立がん研究センター(理事長:堀田知光、東京都中央区、略称:国がん)は、野菜と果物の摂取量と、胃癌との関連性に対する研究成果を公表した。欧州の癌専門誌「Annals of Oncology」に掲載されている。

これまでの症例対象研究などから、野菜・果物の摂取が胃癌予防に効果的であるとされてきた。世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)のプログラムにおいても、野菜と果物の摂取は胃癌予防に効果的であると評価されている。しかし、その後に公表された各国のコホート研究結果にはバラつきがあり、未だ確実な答えが出ていない。

このような背景から、今回は国内で行われているコホート研究結果の取りまとめを行い、大規模なプール解析を行った。対象となったのは、2つのコホートから成る多目的コホート研究(JPHC Study)、宮城県コホート研究、JACC研究の4つ、対象者は191,232人。

胃癌全体のリスクとしては、男女ともに野菜・果物の摂取の有無での有意差は認められなかった。しかし、部位別・組織型別での分析を行ったところ、下部胃癌において、男性で野菜全体の摂取量が最も少ない群と比較し、最も多い群では胃癌発症リスクは0.78と有意に低かった。また、摂取量が多くなるほど胃癌発症リスクが低下する傾向がみられ、緑黄色野菜の摂取でも同様だった。一方、女性では元々男性よりも野菜摂取量が多いためか、下部胃癌発症リスクとの関連性は確認されなかった。さらに、組織型別分析を行うと、男性では特に関連性はみられなかったが、女性では果物全体の摂取量が多いほど分化型胃癌発症リスクが低下する傾向がみられたという。

今回の研究対象である年代では、日本人でのピロリ菌感染率が9割以上であることから、野菜摂取とピロリ菌感染との関連性も示唆されている。ただし、これらのデータは長期追跡を行ったものではあるが、追跡途中での野菜摂取量などの変化は考慮されていない。今後、さらに研究が進むことを期待したい。
(Medister 2014年12月25日 葛西みゆき)

胃癌治療ガイドライン 医師用 2014年5月改訂 【第4版】

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