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副作用の原因は“痛み”と“不安” 子宮頸癌ワクチンに対する専門部会より
更新日:2020/12/22
副作用の原因は“痛み”と“不安” 子宮頸癌ワクチンに対する専門部会より
2014年2月26日、厚生労働省の専門部会は専門家を招き、子宮頸癌ワクチン(以下、HPVワクチン)の接種後に慢性的な“痛み”が生じる副作用が相次いで報告されている問題についての検討を行った。その結果、HPVワクチン接種前には「想像以上に痛いワクチンであることを十分説明する必要がある」などの注意点をまとめた。報告書案を3月中にまとめ、定期接種の勧奨を再開するか否かについて判断することとなる。 専門部会では、ワクチン接種による“痛み”が全身に広がる原因といわれる「心身の反応」について説明がなされた。説明では、本人の予想以上に“痛み”を強く感じた場合、「『この痛みは一体何なのか』という“不安”や、ワクチンに対する“不信感”から“痛み”への耐性が低下することで、全身に痛みを感じるなどの機能性障害を起こす可能性がある」との指摘がなされた。 厚生労働省によると、HPVワクチンは筋肉注射であり、含まれる成分の影響で接種部位の炎症が数日間続く場合があり、製薬会社の調査では接種者の83~99%と、ほとんどの接種者が痛みを感じていることが明らかになっている。このため予防策としては「普通の(他の)ワクチンより痛い理由や、そのメカニズムを含めて十分説明する」ことが挙げられ、専門部会では「過去の予防接種でどの程度痛みを感じたか」という点について確認できるよう、予診表の見直しなども決定された。 HPVワクチンについては、接種開始後から重い副反応が報告され、厚生労働省が定期接種とした直後に接種勧告を控えた経緯がある。またHPVワクチンの販売を行う製薬会社の社員が自己の身分を明かさずに、HPVワクチンの多大な費用対効果を謳った論文を発表し、これを厚生労働省が引用していたこともある。 HPVワクチンは子宮頸癌のみならず、頭頸部癌、肛門癌の予防にも効果があるといわれるが、現在の日本では接種対象が痛みや不安を感じやすい年代の女子に限っていることも問題といえるのではないだろうか。今後の動きにも注目したい。 (Medister 2014年3月4日 葛西みゆき)
腫瘍病理鑑別診断アトラス 子宮頸癌
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