更新日:2020/12/22
再発非小細胞肺癌治療薬が新たに承認される 日本BIが腫瘍領域に参入
肺癌は世界でもっとも死亡者数の多い癌であり、日本でも年間約7万人が肺癌で死亡し、癌による死因の第1位である。罹患率、死亡率は女性よりも男性の方が高く、3倍から4倍にのぼる。中でも非小細胞癌は肺癌の約90%を占めており、手術療法や放射線療法なども行われるが、Ⅳ期まで進行すると手術不能であり、脳などへの転移もみられる。再発も多く、分子標的薬による治療が考慮される癌である。このような手術不能又は再発非小細胞癌に対する分子標的薬としては、これまで上皮成長因子受容体(EGFR)を標的としたゲフィチニブ(イレッサR)と、エルロチニブ(タルセバR)がすでに臨床でも使用されている。非小細胞肺癌患者の約20%で癌の縮小(半分以下)が認められ、約50%の患者で何らかの症状改善が認められるといわれている。
日本BIはこれまで、循環器系疾患、呼吸器系疾患、中枢神経系疾患、代謝系疾患、ウイルス性疾患、免疫系疾患などの分野を中心に薬剤の研究開発を行ってきたが、今回、腫瘍領域に初めて参入する形となる。ジオトリフR錠は、これまで手術不能とされた非小細胞肺がんや、再発非小細胞肺がんの治療における、あらたな選択肢となることが期待されている。
(Medister 2013年1月20日 葛西みゆき)
最新化学療法レジメンー肺がんー