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更新日:2023/02/10

その症状、がんのサインかも知れません

『その症状、がんのサインかも知れません』書評

佐藤典宏(産業医科大学 第1外科 講師)
出版社:PHP研究所
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がんは日本人のふたりに一人が罹る病気となり他人事ではない時代となりました。未だに怖いイメージを持つ人もいるかも知れませんが、医学の進歩によりがんは死に至る病気ではなくなりつつあります。現在、全てのがんの五年生存率は66%以上となっていますが、それでも早期発見がなにより重要。

同著は現役の外科医である佐藤典宏医師が、がんの早期にみられる症状についてがん種別にまとめ たもの。見逃してはいけない初期症状のサインのほか、がんを取り巻く現状や罹患のリスクを高める危険因子などについても解説されています。がんのことを理解してがんの早期発見に役立ててほしい一冊です。

早期発見が何より重要

がんは初期の段階で見つけることがとても大切です。早期発見することで治療の選択肢が広がり、臓器によっては完治することも可能となりました。しかし、早期発見するためにはからだに現れる初期症状に気づかなければなりません。そこで佐藤医師が早期発見につながる症状を各臓器別に解説したのが本著です。

例えば、日本人に増加している大腸がん。最近は罹患者数が増加の一途をたどっており、患者数は男性第3位、女性では第2位となり、全体ではこれまで患者数が多かった胃がんや肺がんを抜いて第1位となりました。大腸がんといえば、血便や下血、便が細くなるといったような症状が現れることがありますが、その他にもリスク因子としては家族歴をはじめ、肥満や糖尿病など生活習慣病とも深く関与しているため、このような基礎疾患の有無にも注意することが必要であると佐藤医師はいいます。また、がんができた部位によっては症状がでにくいこともあるため、特にリスク因子のある人の場合は大腸内視鏡検査を定期的に行うのが良いそうです。

一方、やはり増加傾向にあり女性に増えているのが乳がんです。乳がんは40-50代に多く発症し、女性が罹患するがんの一位なのだとか。しかし、ステージ1の10年生存率は96.1%ととても高く、早期発見できれば治る可能性が非常に期待されているがんとのこと。

乳がんはその多くが胸のしこりで発見されます。つまり他のがんと異なり、乳がんは自分で見つけることができるがんでもあるのです。佐藤医師は、月に一度は胸にしこりがないか自分でセルフチェックすることを推奨しています。

正しい知識でがんを正しく恐れる

佐藤医師は外科医になって25年以上のベテラン医師。これまで多くのがん患者さんを見てきたといいます。手術可能で早期の段階でがんが発見される患者さんがいる一方で、どうしてもっと早くに受診しなかったのだろう、と思うような患者さんもいたとのこと。

患者さんによっては「数ヶ月前からお腹が張っていたけれど我慢していた」という方や「一年前から便に血が混じることがあったけれど痔だと思っていた」など、勝手な思い込みで、せっかくがんのサインに気づいていても発見が遅れてしまうケースも少なくなかったそうです。そして患者さんたちに共通しているのが後悔の念なのだといいます。

がんが怖いのは初期には症状がほとんど現れないこと。なかには全く無症状のまま進行することもあるのだといいます。しかし、そんな時でもなにがしかのサインが出ていることは少なくないそうです。そのサインにいち早く気付いて受診するか、見逃してしまうかが命の分かれ目となってしまうこともあると佐藤医師は話します。

医療機関選びも重要なポイント

本著では、がんの初期症状のほか、がんと診断されたときのポイントについても解説されています。佐藤医師によると、がん治療は病院選びで将来を左右されることがあるのだといいます。

医療機関として設備が整っているか、手術や治療実績が十分であるかなどの他、無理なく通える場所にあるかどうかという点もポイントになるとのこと。そして医師や看護師などスタッフの印象や相性などもチェックするよう勧めています。

がん治療はがん種によっては5年、10年と長くかかる場合も少なくありません。一旦治療が始まると病院を変わることも簡単ではありません。十分な情報の収集は希望する治療への第一歩。本著を参考にしてみてはいかがですか。

執筆者 美奈川由紀 看護師・メディカルライター

国立療養所南福岡病院(現・国立病院機構福岡病院)附属看護学校卒業。看護師
看護師の経験を活かし、医療記事を中心に執筆
西日本新聞、週刊朝日、がんナビ、時事メディカルなどに記事を執筆
著書に「マンモグラフィってなに?乳がんが気になるあなたへ」(日本評論社)がある

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