更新日:2020/12/22
広範囲にわたるロボットによる手術が、現実となる日も近いか
ダヴィンチが保険適応となったのは2012年、前立腺癌のみが保険適応となっている。その背景には、日本では70歳以上の前立腺癌による死亡が多いこと、高齢化が進み今後も患者数の増加が予測されること、高齢者にとっては開腹手術よりも侵襲が少ないことなどがあげられるであろう。
しかし、低侵襲の手術を保険適応で受けられるのであれば、他の癌に対しても希望する患者は確実に増える。実際、大腸癌だけではなく、胃癌・肺癌・腎臓癌・子宮癌なども、全国の大学病院を中心に、治験を行う準備段階にある。多くの場合は有効性と安全性に関する治験であり、いくつかはすでに治験が始まっているものもある。
これらのデータにより、日本で保険適応拡大となるまでにはまだ時間がかかると思われるが、世界ではすでに3,000件を超す導入実績がある。日本国内でも2014年9月末現在での導入実績は180台以上。手術実績としては泌尿器科が15,000件以上、消化器外科でも1,400件を超えた。
「手術支援ロボットによる低侵襲手術」は、すでに現実的なものとなりつつあるようだ。
(Medister 2015年4月13日 葛西みゆき)
<参考資料> 日本ロボット外科学会 da Vinciについて 導入実績
ロボット手術マニュアル−da Vinci手術を始めるときに読む本