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がん遺伝子パネル検査を用いた先進医療について

国立研究開発法人国立がん研究センター(以下「国立がん研究センター」)は、シスメックス株式会社(以下「シスメックス」)と共同開発した「遺伝子変異解析セット(がんゲノムプロファイリング検査用)OncoGuide™ NCCオンコパネル システム」(以下「本システム」)を用いて行う“固形がん患者における初回治療時の包括的ゲノムプロファイル検査の実現性と治療選択への有用性を評価する前向き研究”(以下「本研究」)が、2020年4月1日に先進医療として適用されたことを発表した。本検査の開始時期に関しては、国立がん研究センターにおける体制が整い次第、Webサイト(https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/index.html)にて公表する。

本システムは、固形がんを解析対象とした腫瘍組織の包括的ながんゲノムプロファイルを取得することで、患者のがん固有の遺伝子変異を解析し、正確な診断や抗がん剤の選定など治療方針決定に有用な情報を提供する検査として、臨床現場で用いられている。現在は、標準治療終了後の患者を対象として保険適用されている。他方、標準治療開始時のより早い段階からゲノムプロファイリング結果に基づく個別化医療を提供することにより、患者に対してより適切な治療の実施が期待できる可能性が示唆されている。ただし、その臨床的、医療経済的な有用性については明確になっていない状況である。

今回、“固形がん患者における初回治療時の包括的ゲノムプロファイル検査の実現性と治療選択への有用性を評価する前向き研究”が、2020年4月1日に先進医療として適用された。

本研究では、進行期または再発の悪性腫瘍病変を有し、薬物療法の対象となる非小細胞肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、膵臓がん、胆道がんの患者 (計200例)を対象に、標準治療開始時のがんゲノムプロファイリング検査および本結果に基づいた治療を行うことで、患者のがん固有の遺伝子変異に対応した個別化医療の提供機会拡大およびその治療効果について研究を行う。なお、採取されたすべての検体は、シスメックスの子会社であり、遺伝子受託解析サービスなどを提供する株式会社理研ジェネシス(以下「理研ジェネシス」)のイノベーションゲノムセンター(川崎事業所)において解析を実施するという。

国立がん研究センター、シスメックス、および理研ジェネシスは、価値の高い検査・診断技術の提供を通じて、日本におけるがんゲノム医療の臨床実装および個別化医療の発展に貢献し、患者に最善の医療を提供できることを目指す方針である。
(Medister 2020年5月7日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース がん遺伝子パネル検査を用いた先進医療について 固形がん患者における初回治療時の包括的ゲノムプロファイル検査の実現性と治療選択への有用性を評価する前向き研究について

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