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食道がんを早期から検出できる血液中マイクロRNAの組み合わせ診断モデル作成

国立研究開発法人国立がん研究センター研究所と中央病院の研究チームは、血液により高い精度(感度96%、特異度98%)で、食道がんを検出する診断モデルの作成に成功した。

食道がんは予後不良ながんであるが、薬物療法、手術、放射線治療の進歩により治療成績は向上している。しかし、転移性の腫瘍では根治は難しく、また局所のみの病変で見つかっても、腫瘍の進行によっては手術や放射線治療といった局所治療と薬物治療を組み合わせた比較的負担が大きい治療が必要となる。一方、早い段階で診断された食道がんは内視鏡を用いた負担の少ない治療での治癒を目指すことができるが、早期には自覚症状がないことがほとんどのため、簡便で有用かつ早期診断が可能な診断マーカーの開発は本腫瘍の治療成績向上、および患者の生活の質の向上に急務の課題である。

マイクロ RNA は、血液や唾液、尿などの体液に含まれる 22 塩基程度の小さな RNA のことで、近年の研究で、がん等の疾患に伴って患者の血液中でその種類や量が変動することが明らかになっている。そのため、患者の負担が少ない診断バイオマーカーとして期待されている。本研究は、食道がん(扁平上皮がん)に特異的なバイオマーカーを同定することを目指し実施した。

本研究では、国立がん研究センターバイオバンクなどより収集した血液検体を用いて、食道がんを有する患者566名と有さない患者4965名の血液(血清)中のマイクロRNAを網羅的に解析し、食道がんで有意に変化する複数のマイクロRNAを同定し、そのうち6種のマイクロRNAを組み合わせることで食道がんを早期から検出可能であることを確認した。

本研究成果について、国立がん研究センター中央病院消化管内科 医長の加藤健氏は次のように述べている。「食道がんは早期診断で根治を目指した治療ができる病気です。微量の血液検査で症状がない段階から食道がんを早期発見できる可能性を示した点で大きな意義があると考えます。今後、さらに検証を重ねて、マイクロ RNA検査による一次スクリーニング、そして二次スクリーニングには内視鏡検査というプログラムにより、食道がんの早期発見と治療成績向上に寄与するような、実際の現場で役立つ診断マーカーとなることを期待しています。」
(Medister 2019年8月14日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース 食道がんを早期から検出できる血液中マイクロRNAの組み合わせ診断モデル作成

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