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リムパーザ、BRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんの初回治療後の維持療法として米国FDAから承認取得

アストラゼネカ(以下、アストラゼネカ)およびメルク・アンド・カンパニー(以下「メルク(北米以外ではMSD)」)は、2018年12月19日、米国食品医薬品局(FDA)により承認されたコンパニオン診断検査によって検出された、プラチナ製剤ベースの化学療法による初回治療に完全奏功あるいは部分奏功している病的変異のある、または変異の疑いがある生殖細胞系列あるいは体細胞系列BRCA遺伝子変異陽性(gBRCAmまたはsBRCAm) 進行上皮性卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がんの成人患者の維持療法がFDAによって承認されたことを発表した。

卵巣がんは全世界で、女性のがんによる主要な死因で5年生存率は19%である。2018年には、約29万5,000人が新たに診断され、約18万5,000人が死亡している。新たに進行卵巣がんと診断された患者にとって治療の最大の目的は、完全寛解または根治の達成を目指し、病勢の進行を出来る限り遅らせ生活の質を維持することである。

今回のFDAによる承認は、BRCAm進行卵巣がんに対する初回治療後の維持治療におけるPARP阻害剤として始めての薬事承認となる。本承認は、プラチナ製剤ベースの化学療法後に完全奏功あるいは部分奏功していたBRCAm進行卵巣がん患者において、プラセボ投与群と比較して、リムパーザ投与群が病勢進行または死亡のリスクを70%低減した第III相SOLO-1試験の良好な結果に基づくものである。リムパーザの安全性プロファイルはこれまでに得られているものと一貫していた。

SOLO-1試験において、41カ月の中央値追跡期間において、PFSの中央値は、プラセボ投与群の13.8カ月に対して、リムパーザ投与群の患者では未到達であった。プラセボ投与群の患者の27%に対しリムパーザ投与群患者の60%は3年後の時点で依然として無増悪の状態であった。

アストラゼネカとMSDはGINECO/ENGOTov25第III相試験であるPAOLA-1試験を含む進行卵巣がんにおける追加試験を実施中である。本試験では、BRCA遺伝子変異の有無を問わず、新たに進行卵巣がんと診断された患者の1次治療後の維持療法としてリムパーザとベバシズマブの併用療法を検討しているという。本試験の結果は2019年に得られると予想されている。
(Medister 2019年2月22日 中立元樹)

<参考資料>
アストラゼネカ株式会社プレスリリース リムパーザ、BRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんの初回治療後の維持療法として米国FDAから承認取得

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