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アストラゼネカのアカラブルチニブ(Calquence)、新たな長期データを2018年米国血液学会で発表

アストラゼネカおよび血液疾患領域研究開発の中核部門であるAcerta Pharmaは、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催中の第60回米国血液学会議(ASH)の学術集会においてアカラブルチニブの再発または難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)患者を対象とした新たな長期追跡結果と、未治療の慢性リンパ性白血病患者を対象とした単剤療法を検討する現在進行中の臨床試験の最新結果を発表した。

アカラブルチニブはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する選択的阻害剤であり、BTKに共有結合することでその阻害作用を発揮する。BTKシグナルはB細胞の増殖、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られている。アカラブルチニブは、2017年10月に米国食品医薬品局 (FDA)より1回以上の治療歴のある成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として迅速承認を取得した。本適応症の今後の承認は確認試験による臨床的ベネフィットの検証および確認が条件となる可能性がある。アカラブルチニブは現在慢性リンパ性白血病 (CLL) の治療薬としては現在まだ承認されていない。

再発または難治性MCLにおける第II相ACE-LY-004試験の長期追跡データは2年以上(26カ月)の中央値追跡において、アカラブルチニブの持続的かつ臨床的に有意義な奏功を示し、本患者集団における本剤の有効性及び安全性プロファイルを立証した。本試験の初回データは2017年10月の米国食品医薬品局によるアカラブルチニブの迅速承認や、2018年11月のアラブ首長国連邦における米国以外での初承認の根拠となった。

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのリンパ腫・骨髄腫部教授でありACE-LY-004 MCL試験の治験統括医師であるMichael L. Wang、MDは「追加解析におけるアカラブルチニブの持続的奏功期間と安全性プロファイルがMCL患者さんにおいて長期にわたり一貫して維持されたことが証明されたことは非常に有意義な結果です。本治療薬の使用経験を積み重ねていくことで、再発または難治性MCLの治療選択肢としての同剤の重要性が臨床現場および患者さん全体においてさらに増していくでしょう」と評価している。

また、第I/II ACE-CL-001試験の最新結果も発表された。前治療歴のないCLL患者のコホートにおいて、長期安全性および有効性評価により高い奏効率が示されるとともに、新たな安全性シグナルは確認されなかった。試験期間中央値は42カ月で、患者の89%は解析時にアカラブルチニブによる治療を継続中であった。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは「これら2つの臨床試験のデータにより、これまでの有効性の結果が改めて証明され、複数の血液がんにおけるアカラブルチニブの将来性を支持する多くのエビデンスが追加された。これらの結果は、血液がん患者さんのための革新的な治療の発展を目指す当社の取り組みを強化する大変有望なものだと考えています」と述べ、アカラブルチニブの本邦における承認の可能性に期待を寄せている。
(Medister 2018年12月22日 中立元樹)

<参考資料>
アストラゼネカ株式会社プレスリリース アストラゼネカのアカラブルチニブ(Calquence)、新たな長期データを2018年米国血液学会で発表

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