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軟部肉腫に加え、全国52施設の眼腫瘍診療実績リストを初公開

国立研究開発法人国立がん研究センターは、厚生労働省委託事業「希少がん対策」の一環として、希少がんの一種である眼腫瘍の専門的な診療が可能な52施設のリストとその実績を含む概要について、ホームページ「がん情報サービス」において情報公開を開始した。2017年12月の手足・体幹表面の軟部肉腫診療施設に続いての公開である。

眼腫瘍とは、眼部に発生した悪性腫瘍のことである。眼部とは、網膜やぶどう膜を含めた眼内組織、まぶたと呼ばれる眼瞼、眼の表面にある角膜や結膜、骨に囲まれた眼窩を含め指している。眼腫瘍は、網膜芽細胞腫や悪性黒色腫、悪性リンパ腫や扁平上皮癌、脂腺癌など眼部に発生するさまざまな腫瘍を含む。眼腫瘍は、全てを合わせても推定罹患率が10万人に3.1人と稀である。

希少がんは、「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会報告書」では、全人口で10万人当たり年間発生が6人未満の罹患率のがんと定義されているが、数が少ないがために、診療上・受診上の課題が他のがんよりも大きいと考えられる。平成25年8月の厚生労働省「希少がん医療・支援の在り方に関する検討会」の報告書に基づき、がん種毎の検討を行うために国立がん研究センターを事務局として「希少がん対策ワーキンググループ」が組織され、検討が行われてきた。眼腫瘍は、推定罹患数は希少がんの中でも少ないものの、国立がん研究センター希少がんホットラインで相談を受ける対象疾患の件数としては上位にあり、患者や家族が診療を受ける際に困難を経験する可能性が高いことから、軟部肉腫(四肢軟部肉腫)に次ぐ希少がん対策の対象として、希少がん対策ワーキンググループで検討されてきた。この度、ワーキンググループで専門施設の情報公開が必要という合意が得られ、一定の条件を満たす専門施設を全国から募集した上で今回のリストが作成された。

この専門施設は眼腫瘍の診断および治療を実施し、他の医療機関からの相談窓口・コンサルタントとして機能することに同意するとともに、眼腫瘍の患者を適切に診断・治療する体制と実績があることを客観的に検証可能とするため、院内がん登録へ参加していることを条件とすることが、希少がん対策ワーキンググループ眼腫瘍分科会での検討の中で定められた。この条件に沿って、全国のがん診療連携拠点病院や各関連学会に通達をして、専門施設の応募を募り、提供された情報の内容を確認の上、専門施設のリストを作成した。

がんセンターでは、他のがん種に関しても専門施設の検討と情報公開を行っていく予定である。今回の基準や施設についても定期的に見直しを行っていく方針だという。
(Medister 2018年10月15日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 希少がんにおける専門施設の情報公開 軟部肉腫に加え、全国52施設の眼腫瘍診療実績リストを初公開

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