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東京大学と国立がん研究センターの共同でがんコミュニケーション学連携講座 設立

東京大学大学院医学系研究科と国立がん研究センターが共同で、2018年4月に、がんコミュニケーション学連携講座を設立し、がん情報の分かりやすい提供のための研究と、医療従事者に対する教育を進めることとなった。

これまで大学や研究所等の医学研究機関では、がんの発症や進展のメカニズムの生物学的な研究、がん治療法や診断法についての臨床試験、がんのリスク因子等を研究する疫学研究、は盛んに行われてきた。しかし、これらのがんに関する医学研究により得られた情報を、患者や家族に分かりやすく、かつ誤解のない形で伝えるためのコミュニケーションの方法について、体系的に研究しよりよい方策を提案するための研究部門は、我が国には存在していなかった。

そこで、医療分野におけるコミュニケーションで研究・教育業績を持つ東京大学大学院医学系研究科と、患者・家族に向けたがん情報の提供と相談支援の研究・実務業績を持つ国立がん研究センターが共同し、がんコミュニケーション学連携講座を設立し、がん情報のわかりやすい提供のための研究と医療従事者に対する教育を進めることとなったのである。

がんコミュニケーション学連携講座の設立により、これまで医学界で科学的に検討されることが少なかったがんコミュニケーションについての発展が期待できる。その最も大きな受益者は、がん患者とその家族であろう。

がんコミュニケーション学連携講座では、まず持続可能ながん情報提供体制のあり方の検討、「がん相談支援」の有効性の検証に関する研究及びがん患者やその家族からの疑問・質問の解析による知識データベースの構築に向けた研究を行う予定である。次に、先進的な医療(臨床試験・治験、遺伝子治療、ゲノム医療等)に関する情報の提供方法に関する研究、患者からみたがん対策の評価に関する研究及び健康情報を地域でどう広め、伝えるか:医療機関と公共図書館の連携による健康情報提供に関する研究を行う。さらに、情報弱者への医療情報提供のあり方に関する研究や思春期・若年成人(AYA)世代のがん情報の提供方法、提供体制に関する研究も進めて行く方針だという。

また、がんコミュニケーション学連携講座の設立にあたり、記念セミナーを開催する。開催日時は2018年7月29日(日曜日)午後1時から午後5時15分で、同講座の准教授に就任した高山智子氏(国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報提供部部長 兼担)や、患者-医師間コミュニケーション研究の第一人者である石川ひろの氏(帝京大学大学院 公衆衛生学研究科教授)ら、国内のヘルスコミュニケーションの研究・実務の第一人者が一堂に会し、医療に関わるコミュニケーションの課題と、解決に向けた方策を議論する予定である。
(Medister 2018年7月24日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 患者のためのわかりやすいがん情報の提供に向け東京大学と国立がん研究センターの共同でがんコミュニケーション学 連携講座設立

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