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国立がん研究センターと日本BD 免疫チェックポイント阻害剤投与の効果予測実現に向けた共同研究契約を締結

国立研究開発法人国立がん研究センター(以下「国立がん研究センター」)と日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 (以下「日本BD」)は、がん治療を大きく転換する可能性を秘めた治療法として世界の注目を集めるがん免疫療法のひとつ「免疫チェックポイント阻害剤」における効果予測の実現を目指し、新たなプラットフォーム構築に向けた共同研究契約の締結を発表した。

日本BDは、米国BD(ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー)の日本支社として1971年創立 (1985年日本法人化)された民間企業であり、ライフサイエンス研究用製品、臨床検査・感染制御、環境検査関連製品、薬剤投与等の治療用製品を輸入販売している。

患者の生活の質(QOL)の改善、延命効果や症状の緩和、及び医療経済等の観点から国内外で様々な研究開発が行われているが、国立がん研究センターの最新予測では、2017年のがん罹患数(対象とする人口集団から、一定の期間に、新たにがんと診断された数)の推計は、全体で約101万4千例(男性57万5千900例、女性43万8千100例)に上っている。

こうした状況下、がんに対する新しい治療方法として、がん細胞が免疫にブレーキをかける仕組みに働きかける免疫チェックポイント阻害剤の臨床における効果が明らかにされ、現在、幅広いがん種への適用や併用療法の開発に向けた取り組みが活発化している。しかしながら、免疫チェックポイント阻害剤は、効く人と効かない人を事前に見分ける効果予測が困難であることから、有効性の指標(バイオマーカー)の同定や新規治療法開発による治療効果の向上が課題とされてきた。

そのため、本共同研究では、国立がん研究センターの有するがん免疫研究における高度な研究技術及び豊富な臨床経験・検体と、基礎研究から創薬・臨床応用に至るまで先端技術を駆使したフローサイトメトリーシステムのパイオニアであるBDが誇るBD FACS(TM)フローサイトメーターを最大限活用し、がん免疫療法におけるバイオマーカーの同定など臨床応用に向けた新たなプラットフォームの構築を目指すという。

本共同研究で用いられる最新の「BD FACSLyric(TM)フローサイトメーター」は、幅広い臨床的アプリケーションに対応できる優れた柔軟性と高性能を兼ね備えたセルアナライザーで、マルチカラー(最大10カラーの多項目測定)に対応できることから、免疫細胞のより詳しい機能解析が可能となっている。こうした詳細、かつ高度な解析による効果予測を実現することで、平均化された画一的な治療法ではなく、個々の免疫状態に応じて、患者一人ひとりにとって最適で安全な治療法を適用する、次世代の個別化免疫療法の構築に寄与することが主目的として位置づけられている。
(Medister 2018年7月17日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 国立がん研究センターと日本BD 免疫チェックポイント阻害剤投与の効果予測実現に向けた共同研究契約を締結

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