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看護師、薬剤師、栄養士らによる患者さんの療養生活サポートを充実させよう! クラウドファンディングで寄付募集

国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院は、がん患者の療養生活をサポートする研究や相談支援に必要な資金を、インターネットで募るクラウドファンディングを実施している。

近年、新たな治療開発などにより生存率が向上したが、「生活の質」は必ずしも十分に改善したとは言えないのが現状である。「生活の質」の改善を目指したがん患者の療養生活のサポートも、外見変化のケア、むくみの対処、リハビリ、栄養相談、薬剤相談、就労・就学支援など多岐に渡る。

そこで、国立がん研究センターでは、2016年9月に「患者サポート研究開発センター(以下、サポートセンター)」を中央病院の8階に開設した。サポートセンターでは、看護師、臨床心理士、薬剤師、管理栄養士など、医師だけではなく多職種による新たな連携・サポート体制を構築し、その全国普及のために取り組んでいる。現在、看護相談、周術期サポート、リンパ浮腫ケア教室など23のプログラムを提供し、毎日120名以上の患者に利用されているという。

しかし、療養生活をサポートする相談支援などは、診療報酬が伴わないことも多く、120名中約50名は現行の診療報酬制度の基準に合致せず、時に支援の継続が困難なことも生じるようになってきた。また、患者の状況や理解度の把握、患者への説明においてスマホやICTを活用したシステムの構築プロジェクトなど拡大困難な研究もある。

そこで、国立がん研究センターでは患者の療養生活のサポートを充実させるため、一般からの資金援助の募集を開始した。当資金募集の実施期間は、2018年5月8日から2018年6月30日までである。センターでの目標とする金額は500万円以上である。今回のクラウドファンディングによる寄付募集は、2018年6月30日までに目標金額に到達しなかった場合、支援者らへ全額返金となり、そこまで集まっていた寄付金を受け取れないルールとなっているという。

寄付された資金の主な用途は、患者の療養生活を支援する各種プログラムの充実、相談支援の充実及び研究プロジェクトの実施などである。

予定されている研究内容としては、まず初診時からのスクリーニング及び継続的なモニタリングを行い、がん診療の様々な局面において発生する現在把握・対処されていない患者のニーズ(Unmet Needs)を調査する。次に、そのニーズに応えるための情報提供、多種職のメディカルスタッフが連携して行う種々の介入や体制整備を試験的に行う。さらに、その結果の客観的な評価に基づき、当院におけるより良いがん診療環境を具現化するとともに、その結果を公表し、他のがん診療を行っている医療機関でのモデルとなるようにすることも目標としているという。
(Medister 2018年5月21日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 看護師、薬剤師、栄養士らによる患者さんの療養生活サポートを充実させよう!クラウドファンディングで寄付募集(6月30日まで)
クラウドファンディング実施サイト

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