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国立がん研究センター先進医療・費用対効果評価室による定点調査:海外承認済み、国内未承認の抗がん剤リスト更新

国立研究開発法人 国立がん研究センター(略称:国がん)先進医療・費用対効果評価室は、2015年4月より公開している「国内で薬事法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト」を2018年4月4日現在の情報で再集計し、4月23日にホームページで公開した。

同リストは、米国FDAおよび欧州EMAが承認した医薬品のうち、がん領域において日本では未承認あるいは適応外の医薬品とその1カ月あたりの薬剤費の試算を提示したものである。これまで四半期毎に更新し、今回は2018年4月4日現在で更新を行った。

集計結果のポイントを簡単に説明すると、まず2018年4月時点で、FDA/EMA既承認、日本未承認の抗がん剤はのべ65剤(55薬剤65適応症)であった。うち、FDAのbreakthrough therapyに指定されている抗がん剤は18剤であった。次に、適応症の内訳は、血液がん30剤、泌尿器がん(前立腺がんなど)11剤、乳がん5剤、皮膚がん(悪性黒色腫など)4剤、骨軟部腫瘍(肉腫)3剤、肺がん(非小細胞肺がん)3剤、卵巣がん2剤、小児がん2剤が主なものであった。5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝がんあるいは子宮がん)のうち上記の乳がん、肺がん以外のがんでは未承認薬はなかった。

また、血液がんに対する未承認薬では、新投与経路医薬品や新剤形医薬品などの、同一の有効成分がすでに国内で承認されている抗がん剤が7剤あった。これらを除く新有効成分含有医薬品は23剤であった。FDA既承認の新有効成分含有医薬品20剤のなかでも2015年以降に承認された抗がん剤は12剤存在していた。うち、8剤は国内での開発が進められており、開発ラグは存在するものの今後ドラッグ・ラグの解消が期待される。泌尿器がんに対する未承認薬では、FDA既承認の8剤の中でも2015年以降に承認された5剤は、いずれも国内での開発が進められており、開発ラグは存在するものの今後ドラッグ・ラグの解消が期待される。

さらに、65剤の抗がん剤のうち、薬剤費が判明している58剤中45剤において1カ月当たりの薬剤費が100万円以上であり、1カ月当たりの薬剤費が1000万円を超える抗がん剤は3剤で、血液領域のCAR-T細胞療法が2剤、骨軟部腫瘍(肉腫)の免疫賦活薬が1剤であった。

同リストは厚生労働省の患者申出療養に関するウェブページにおいて活用されているという。
(Medister 2018年5月7日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 国立がん研究センター先進医療・費用対効果評価室による定点調査:海外承認済み、国内未承認の抗がん剤リスト更新(2018年4月時点) 日本未承認は65剤、45剤が月の薬剤費100万円超

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