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がん登録・統計の国際標準策定を担う国際がん登録協議会理事長に国立がん研究センター全国がん登録室長が就任

国立研究開発法人国立がん研究センターのがん対策情報センターがん登録センター全国がん登録室長松田智大氏が、2017年10月、国際がん登録協議会(International Association of Cancer Registries, IACR)の理事長に正式就任した。

IACRは、がん登録の発展を期し、1966年に設立された国際機関である。130を超える国・地域を代表する590機関(2017年10月現在)で構成され、がん登録・統計に関するルール設定、がん登録・統計に関する書籍やデータブックの刊行(がん登録の原理と方法等)、ソフトウェアの開発・提供(IARC/IACRcrgTools、CanReg5等)、eラーニングの提供、がん登録・統計に携わる研究者の研修や研究への補助金の提供、がん登録の標準化とデータ精度向上へ取り組み、個別のがん登録機関のデータ比較による研究(5大陸のがん罹患等)、対がん政策の提言につながる研究を推進している。世界保健機関(WHO)や、国際対がん連合(UICC)、欧州がん登録ネットワーク(ENCR)とも協働しており、事務局はWHOのがん専門研究機関(International Agency for Research on Cancer, IARC、フランス・リヨン市)内に設置されているという。1982年以降、毎年5大陸を巡回し開催している年次学術集会には毎回300名ほどの参加記録をもつ。

IACRの今後の展望としては、まず途上国を対象として、IACRがWHO/IARCと共同で進めるがん登録・統計の国際支援計画(Global Initiative for Cancer Registry Development, GICR)活動で中心的な役割を果たし、AMED e-Asiaの予算を活用して、がんの負担の大きいアジア諸国に日本の知見や技術を積極的に移転することを目標としている。さらに、先進国を対象として、IACRが設定する国際的ながん登録・統計のルールの更新、詳細な実務方法の提言や研修カリキュラムの作成、認定制度の施行によって、更なる標準化と精度向上、データの積極的活用を図ることも目標に掲げている。

ちなみに、日本のがん登録は、2016年より全国がん登録として法制化されており、その集計が2018年度には公開予定である。集計は、日本のがん対策等に活用されるが、アジアや世界との協同にも活用できる統計として、日本のがん罹患率、生存率の世界での位置づけを確認することによるがん対策やがん医療の進捗評価、アジア特異の希少がんの観察に基づくがん罹患のメカニズムの解明などが期待されている。 (Medister 2018年1月22日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター がん登録・統計の国際標準策定を担う国際がん登録協議会理事長に国立がん研究センター全国がん登録室長が就任

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