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がん医療水準の「均てん化」を評価する体制構築に向けがん診療連携拠点病院などでの2013年治療実態を調査

国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターは、がん診療連携拠点病院を中心とする全国297施設で2013年にがんと診断された患者45万3660名について、昨年に引き続き(2012年データは31万2381名)各がん種と支持療法で選定した標準治療・検査9項目の実施率と標準治療を行わなかった理由について調査を行った。

本調査は、科学的根拠に基づいた標準治療に対し、各施設で実際に行われた診療を調査することで、がん医療水準の均てん化の評価体制構築へ向けた検討を行うものである。また、標準治療は患者の状態によっては控える判断をすることも必要であることから、未実施理由の妥当性についても調査した。

今回の調査では、がん診療連携拠点病院279施設及び都道府県の推薦による院内がん登録実施病院18施設の計297施設を対象としている。標準治療未実施の理由については、研究参加施設の中から協力の得られた70施設からの回答を集計している。2013年にがんと診断され治療を行った症例を集計対象症例とし、各がん種と支持療法について代表的な標準治療を選定、対象となる症例を院内がん登録データより抽出し、各施設で現実に行われた診療をDPCもしくはレセプトデータで収集、突合し標準治療の実施状況を調査。また、未実施理由については大まかな選択肢を提示し、それ以外については記述を依頼した。

結果としては、ほとんどの項目で2012年と2013年の標準治療の実施率に大きな変化はなく、項目により施設間で差がみられた。実施率が上昇した例としては、昨年実施率の低さが話題となった臓器横断指標(制吐剤の使用の有無)が挙げられた。こちらの項目では昨年の時点で、未実施理由を加味しない値で68.7%の実施率であったの対し、本年度は73.2%にまで上昇している。がん診療拠点病院の参加率も昨年は55%であったのに対し今年は68%と上昇する中、全9項目中6項目の実施率は去年とほぼ同一か、多少の上昇がみられた。解析結果に全身状態などの患者要因により実施しなかったものを加味すると、9項目中6項目で適切な治療の実施率として90%以上の結果となった。一方、乳がんに対する乳房切除術で再発高リスク症例に対する術後放射線療法は適切な治療を加味しても71.1%、催吐高リスク化学療法前の予防制吐剤投与は76.2%であった。標準治療を実施するか否かは、ステージや全身状態だけではなく様々な要素により判断される。そのため、これらの結果について解釈には注意を払う必要があるという。

国立がん研究センターでは、重要なこととして、これらの均てん化を評価する指標を通して診療の質の向上を図るためには、まず、このような検証活動に参加するという事が第一の重要性をもっており、次に、標準治療実施率を測定した結果としての数字から施設間格差などに注目するのではなく、未実施の理由を詳細に調査、検討し、適切な治療方針の検討が行われていたかどうかを評価することが重要であることを強調している。
(Medister 2017年12月11日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター がん医療水準の「均てん化」を評価する体制構築に向けがん診療連携拠点病院などでの2013年治療実態を調査

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