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更新日:2016/12/12

8Kスーパーハイビジョン技術を医療応用する初の国家プロジェクト

国立研究開発法人国立がん研究センターと一般財団法人NHKエンジニアリングシステム、オリンパス株式会社、株式会社NTTデータ経営研究所は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 「8K等高精細映像データ利活用研究事業」の支援により、8Kスーパーハイビジョン技術(以下、8K技術)を用いた新しい腹腔鏡手術システムの開発と高精細映像データの活用を検討する研究を開始する。これにより、日本発の医療機器等の振興を図り、併せて、高精細映像データの診断等への利活用に向けた具体的方策と課題の検討・検証を推進するという。

腹腔鏡手術の件数は、近年、急速的に増えている一方で、モニターに画像を映し出して手術を進めるため、画質が手術の質に影響したり、手術操作の制限や死角が発生することで、開腹手術と同等の質が担保できない場合や術中偶発症の発生が問題となることがある。例えば、従来の腹腔鏡は視野が狭く、空間認識も困難であることから、腹腔鏡と周りの手術器具と衝突するリスクもあり、術中の臓器損傷の発生率が開腹手術の2倍に上るとの報告もある。

この度開発された8K映像は、従来のハイビジョンの16倍に当たる3,300万画素の超高精細画像で、その密度は人間の網膜に迫ると言われている。本研究は、日本発の次世代放送技術である8K技術を医療機器に応用する初の試みだという。その実用化により、がん手術がより精密かつ繊細に行えるようになり、腹腔鏡手術をはじめとする内視鏡手術の安全性と根治性を一層向上させ、医療経済へも良い影響をもたらすなど、医療現場に大きな変革が期待される国家プロジェクトである。

プロジェクトチームは、8K技術を用いた新しい腹腔鏡手術システムの開発と、実用化・普及を目指し今後新たなる課題に取り組むという。その課題とは、硬性鏡の光学性能の改善、8K カメラの更なる高感度化と小型・軽量化、発熱の少ない高輝度光源の開発、硬性鏡と接続しやすい低重量の接続機器(アダプター)の開発の他、狭視野角映像の範囲、位置を術者の意向に従って特定して切り出す新しい技術の開発や、高精細映像を症例ごとにデータベース化し、高解像度データを利用した新規診断法の開発にも取り組む予定である。

上記課題に取り組むことにより、平成29年度中に新腹腔鏡手術システムの試作品完成、動物実験等による試作品の基本性能向上および実証を行い、人を対象とした試験の開始を目標とする。また、平成30年度には実用化・普及に向けた具体的な計画や、収集したデータを用いた医療上の有用性、病院間でのデータ共有と有効性における取りまとめも行っていく方針である。
(Medister 2016年12月12日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 8Kスーパーハイビジョン技術を医療応用する初の国家プロジェクト 腹腔鏡手術システムでの実用化目指し始動

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