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ほくろは癌の親戚

今回は肺癌において特殊な症例が論文として紹介されていたのでそちらを紹介したいと思う。論文のタイトルは「原発巣不明肺悪性黒色腫の一例」で、京都大学呼吸器外科の岡村珠紀医師らにより診断され2007年現在も治療を続けている症例である。

患者は50歳男性。2005年1月に検診で胸部異常陰影を指摘され紹介受診。タバコは15年前にやめ、飲酒は機会があれば飲むといったもの。血圧、脈拍を始め尿検査、血液検査などの生化学検査はすべて正常値であった。しかし、胸部CTを撮影したところ右肺に25mm程度の結節影を確認できたのだ。

右上葉切除術とリンパ節郭清を施工し、術後の永久標本にて悪性黒色腫と診断された。病理標本にして観察を行っても悪性黒色腫であることは明らかであったが、原発部位が不明なままであった。

岡村医師が患者に確認すると10年ほど前に爪病変(10年前に右第二指爪下に黒色線条)があったことが判明した。爪病変を発症したまま病院へ受診したわけではなく、術後も爪病変が発病したというわけではなかった。あくまで筆者の予想であるが爪病変が悪性黒色腫の前兆であったのではないだろうか。

悪性黒色腫が発症した場合の生存率は著しく低いことは周知の事実であろう。骨や細胞に浸潤しやすく、最終的な治療では根治切除でないかぎり予後不良状態からは抜け出せないのである。

足裏にほくろがあるのは良くないと聞いたことはないだろうか?ほくろと悪性黒色腫は紙一重であるからそのような事が巷での都市伝説化してきているのだ。しかし、その都市伝説も都市伝説ではなく本当に危険な場合もがあるのだ。思春期過ぎに今までなかった場所に急にほくろができた場合には悪性黒色腫の可能性がゼロとは言いがたい。悪性黒色腫の好発部位は体の末端であるので足裏や手指にほくろができた場合、皮膚科へいくことをオススメする!
(Medister 2013年5月28日 桐生賢汰)

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