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今日から第二の患者さん~がん患者家族のお役立ちマニュアル~

『今日から第二の患者さん~がん患者家族のお役立ちマニュアル~』書評

著者名:青鹿 ユウ
出版社:小学館
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本著は、「家族も第二の患者」との位置づけで綴られたコミック本。著者は漫画家の青鹿ユウさん。同じく漫画家の婚約者(同棲中)から大腸がんを告白され、彼を献身的に看病する中で起こるさまざまな出来事に悩んだり不安になったり、そのときどきの心境が描かれています。本著のラストには、実名と自作のイラストで突如、患者である彼が登場。さすがプロの漫画家さんだけあって、イラストと添えられた言葉に、それまでのトーンが一新するというサプライズもみものです。

マンガなので、サラサラとすぐに読み終えることができる患者家族のためのマニュアル本。添えられた言葉には名言がちりばめられており、笑いあり、涙ありの一冊です。

家族は第二の患者さん

著者の青鹿ユウさんは、当時婚約者だった彼(以下、オット君(仮))から大腸がんであることを知らされます。彼は有名な雑誌社に連載を持つ同業者で、物語はふたりの入籍前日の一コマからはじまります。

入籍は一旦保留となってしまい、ユウさんはとまどいながらも「大丈夫」と自分に言い聞かせるのですが、その不安はさまざまな場面で増大していきます。オット君(仮)の前では平静を装い、から元気で笑わせようとするものの、周りの人たちのことばに振り回されて不安は募っていくばかりです。入院中も、彼が誌面に穴を空けたくないといえば、病室で仕事ができるよう駆け回って奮闘する毎日。また、大部屋だとうるさくて仕事ができないといえば、個室に転室させて……と彼の希望が叶うよう全力を尽くすのです。

「休ませてあげないと」と知人が心配してかけてくれた言葉に悩み、自分は正しいことをしているのか?そんな疑問や、支えてあげないといけないといった気持ちが膨らんでいき、いつしか眠れなくなってしまいます。痛みと不安でイライラするオット君(仮)を前に、はじめてのことだらけに戸惑うユウさん。ひとりで全てのことを判断しなければならない重圧に、気持ちも折れてヘトヘトになっていくのです。

そんな時、家族だって患者と同じように不安があるのはあたり前。患者と同じように家族も悩んだり迷ったりするものなんだ、ということに気づいていきます。力になりたいという自分。不安になる自分。両方の自分がいていいのだと言い聞かせるのです。

ユウさんは姉妹との仲もよく、さまざまな場面で姉妹たちにサポートされる様子もうかがえます。知らず知らずのうちにユウさんは周りの人たちに支えられていたのです。

患者家族の仕事はどうなる?

自営業として働く人にとって、病気療養中に働けない期間は即、収入減というシビアな現実が待ち構えています。ユウさんは当時、マンガ家といっても新人で連載が終了したばかり。この時点で仕事はなく無職状態でした。次の仕事で報酬を得るまでには、長い道のりを超えていかなければなりません。企画が通るかどうかもわからず、通ったとしても、場合によっては数年かかることもあるのだとか。自身のキャリアと彼の看病との狭間で、悩みが尽きません。でも、目の前には16日間の入院でかかった費用数十万円の請求書。術後の抗がん剤治療も控えている中で、ユウさんは葛藤するのです。

このまま何年も漫画が描けなかったら、友人作家たちとの差がついてしまうのではないか?いえ、すぐに復帰して……。でも、それはいつ?何年先?復帰できないのではないか?自身のキャリアへの不安が後を絶ちません。

そんな時、ユウさんはまた友人のことばに救われます。

「状況って変わるもの。変わった時にやっても遅くはないんだよ」と。

今できなくても、悲観する必要はない。状況は変わる。そんな友人のことばに後押しされて、元気を取り戻すユウさん。「ネタのストック」と自らの体験をもネタにできるほど気持ちを切り替えていくのです。

「だいじょうぶ」はホントに大丈夫?

退院してからもユウさんの不安は続きます。抗がん剤治療をスタートしたオット君(仮)は副作用で手がぱんぱんに腫れても「だいじょうぶ」としか言ってくれません。ユウさんはその言葉に不安を抱いていくのです。

彼のため、からだによいものを探すユウさん。ちまたにはがん情報が溢れるほどに氾濫しています。調べれば調べるほど、ユウさんの頭はがんのことでいっぱいになってしまい、情報の波にのまれていきます。そこに輪をかけて、彼から返ってくることばは「だいじょぶ」だけ。がんの告知から張り詰めていた気持ちがプツッと切れてしまい、夫婦げんかへと発展してしまいます。

この時のことをユウさんは、一日の大半をがん対策にあてていたと回想しています。ユウさんがえらいのは、この時自らの行動を振り返って謝り、お互いを理解しようと自分の気持ちをさらけだしたこと。そんなユウさんにオット君(仮)も応えてくれます。彼自身も怖かったのです。大丈夫と自分に言い聞かせていたのです。

誰だって、病気になれば初めて経験することの連続です。めまぐるしく変わる状況の中で、直面する問題にひとつひとつ真摯に向かい合いながら解決しようとするユウさんの健気な様子には胸を打たれます。深刻なはずの出来事が、どこかユーモラスに描かれているのも本著の魅力。若いふたりの心温まるがんの闘病ものがたりです。

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